庭木・花木育てやすさ: やさしい

ヤマボウシ

Kousa Dogwood / Cornus kousa

別名・品種: ヤマボウシ、山法師、ヤマグワ、常緑ヤマボウシ、ホンコンエンシス、ミルキーウェイ、サトミ

初夏に白い花のような苞をつけ、秋は紅葉と実を楽しめる和洋どちらの庭にもなじむ落葉樹。丈夫で山陰の庭でも育てやすく、シンボルツリーとして人気があります。

カテゴリ
庭木・花木
育てやすさ
やさしい
日当たり
日なた〜半日陰。西日は避けると安心
水やり
植え付け後2年は乾いたらたっぷり。根付けば降雨で十分
耐えられる寒さ
-15℃前後まで(落葉種は寒さに強い)
大きさの目安
3〜8m程度(剪定で調整可)
原産地
日本・朝鮮半島・中国
出回り時期
2〜6月・10〜12月

どんな木か

ヤマボウシは初夏に白い花のような部分をたくさん咲かせる落葉樹です。花のように見える白い4枚は正確には苞(ほう)と呼ばれる葉が変化したもので、本当の花は中心の丸い集まりのほうです。秋にはこの中心が赤い実になり、熟すと甘くて食べられます。さらに葉が赤〜オレンジに紅葉するので、一年を通じて見どころが多い木です。

よく似たハナミズキ(アメリカヤマボウシ)よりも花期が少し遅く、葉が出そろってから咲くのが特徴です。和風の庭にも洋風の庭にもなじみやすく、シンボルツリーとして選ばれることの多い木です。

置き場所

日なたから半日陰でよく育ちます。日当たりがよいほど花つきや紅葉がきれいになる傾向がありますが、真夏の強い西日が一日中当たる場所は葉が傷みやすいので、できれば午後にやわらぐ位置が向いています。

山陰の夏は高温多湿になります。ヤマボウシはもともと山地の木で、根が乾ききるのを嫌う一方で、風通しが悪くジメジメした場所も得意ではありません。建物と塀に挟まれた風の抜けない場所より、多少空気が動く場所のほうが病気が出にくく安心です。冬の日照が少ない山陰でも、落葉している時期なので日照不足はさほど問題になりません。

水やり

庭に植えて根が張ってしまえば、基本的に降る雨だけでまかなえます。ただし植え付けてから最初の1〜2年は根がまだ浅いので、表土が乾いたらたっぷりと与えてください。特に夏場、梅雨が明けてから雨が降らない日が続くときは要注意です。

水切れのサインは葉のふちが茶色くチリチリになったり、日中に葉がだらんと垂れることです。こうなる前に、朝か夕方の涼しい時間に株元へゆっくりしみ込ませるように与えると立ち直りやすくなります。鉢植えで育てている場合は乾きが早いので、夏はほぼ毎日、様子を見ながら与えてください。

つまずきやすいポイント:花が咲かない・実がならない

ヤマボウシでいちばん多い相談が「植えて数年たつのに花が咲かない」というものです。理由はいくつか考えられます。

まず、若い苗はある程度大きくなるまで花をつけにくい性質があります。植えて数年は葉を茂らせて木を充実させる時期と考え、あせらず待つのがおすすめです。次に、剪定の時期です。ヤマボウシは夏から秋にかけて翌年の花芽をつくります。冬から春に強く枝を切ると、せっかくの花芽まで落としてしまうことがあります。剪定はできれば花が終わった直後の初夏までに、混み合った枝を軽く整える程度にとどめると花を保ちやすくなります。

また、日当たりが足りないと花つきが悪くなりがちです。年々花が減ってきたと感じたら、周りの木や枝が茂って日陰になっていないか見てみてください。実は木によっては受粉の相性で少なくなることもあり、必ず毎年たくさん実るとは限りません。

品種による違い

ヤマボウシには白花の一般種のほか、赤みを帯びた苞をつける「サトミ」、実のように苞がびっしりつく「ミルキーウェイ」などの品種があります。また冬も葉を落とさない常緑ヤマボウシ(ホンコンエンシス系)もあり、目隠しを兼ねたいときに選ばれます。

ただし常緑タイプは落葉タイプに比べると寒さにやや弱く、山陰でも冷え込みの厳しい年や場所では葉が傷んだり落ちたりすることがあります。冬越しの安心感を優先するなら、昔からある落葉種のほうが山陰の気候には無理がありません。品種による育て方の大きな違いは少なく、置き場所と水やりの考え方は共通と考えて大丈夫です。

病害虫と冬越し

比較的丈夫な木ですが、風通しが悪いとうどんこ病で葉が白っぽくなることがあります。見つけたら傷んだ葉を取り除き、枝を透かして風が通るようにすると落ち着くことが多いです。梅雨から夏の多湿期は特に様子を見てあげてください。

冬は葉を落として休みます。落葉するのは異常ではなく自然な姿なので心配いりません。落葉種は寒さに強く、山陰の冬であれば防寒はほとんど不要です。ゆっくり大きくなる木なので、植える場所は将来の樹形を思い描いて、少しゆとりをもって選んでおくと後が楽になります。

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