キンモクセイ
Fragrant Olive / Osmanthus fragrans var. aurantiacus
別名・品種: 金木犀、ギンモクセイ(近縁種)、丹桂
秋にオレンジ色の小花を無数につけ、あたり一面を甘い香りで満たす人気の花木。丈夫で育てやすく、生垣や玄関脇の目隠しにも向きます。山陰では花つきと湿気対策がポイントです。
- カテゴリ
- 庭木・花木
- 育てやすさ
- やさしい
- 日当たり
- 日当たり〜半日陰。西日は避けると安心
- 水やり
- 根づけばほぼ雨まかせ。真夏の乾燥時のみ補う
- 耐えられる寒さ
- -10℃前後まで耐える。山陰の平地なら屋外で越冬可
- 大きさの目安
- 2〜5m程度(剪定で高さを抑えられる)
- 原産地
- 中国南部
- 出回り時期
- 3〜6月・9〜11月
秋の香りをつくる木
キンモクセイは、9月下旬から10月にかけてオレンジ色の小さな花を枝いっぱいにつけ、甘く濃い香りを漂わせる花木です。花そのものは地味なほど小さいのですが、香りの存在感がとにかく強く、開花に気づいて「ああ、秋だ」と感じる方も多いと思います。常緑樹なので冬も葉を落とさず、目隠しや生垣としても長く活躍してくれます。
病害虫にも比較的強く、根づいてしまえば手のかからない木です。庭木を初めて植える方にも扱いやすい部類に入ります。
置き場所と植える向き
日当たりのよい場所を好みますが、半日陰でも育ちます。ただし日照が少ないほど花つきは落ちやすくなるので、香りをしっかり楽しみたいなら、少なくとも午前中に日が当たる場所を選ぶと安心です。
山陰の冬は曇りや雨の日が続き、日照が慢性的に不足します。壁や建物の北側にぴったり付けて植えると、通年で日陰になり花芽がつきにくくなることがあります。可能なら南〜東向きの、風通しのよい場所がおすすめです。西日が強く当たる場所は真夏に葉が傷みやすいので、そのときは午後に少し陰る位置を選ぶとよいでしょう。
耐寒性はそこそこあり、松江市の平地であれば屋外でそのまま越冬できます。
水やり
地植えの場合、根がしっかり張ってしまえば基本的に降雨だけでまかなえます。植え付けから最初の夏までは根がまだ浅いので、雨の少ない日が続いたらたっぷり与えてください。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から流れるまで与えます。山陰は梅雨から夏にかけて多湿になりやすいので、受け皿に水を溜めっぱなしにしないよう気をつけてください。過湿は根を傷める原因になります。
花が咲かない・香らないとき
キンモクセイでいちばん多い相談が「植えて数年経つのに花が咲かない」というものです。原因はいくつか考えられます。
ひとつは日照不足。前述のとおり日が当たらないと花芽がつきにくくなります。もうひとつが剪定の時期です。キンモクセイは花が終わったあとの春〜初夏にかけて翌年の花芽をつくります。夏以降に強く刈り込むと、せっかくできた花芽ごと切り落としてしまい、翌秋に咲かないということが起こります。刈り込むなら花後すぐ、遅くとも6月頃までに済ませるのが無難です。
また若い苗のうちは、木が充実するまで花が少ない年が続くこともあります。数年待つと落ち着いて咲くようになるケースも多いので、あせらず様子を見てください。
近年は暖秋の影響で開花がずれたり、二度咲きしたりする年もあります。年によって咲き方が変わるのは自然なことなので、気にしすぎなくて大丈夫です。
剪定と手入れ
成長は比較的おだやかですが、放っておくと数メートルまで大きくなります。生垣や目隠しとして高さを抑えたいなら、花後のタイミングで定期的に刈り込むと形を保てます。込み合った枝は風通しをよくする意味でも間引いておくと、山陰の多湿期にカイガラムシやすす病が出にくくなります。
すす病は葉が黒くすすけたようになる症状で、カイガラムシの排せつ物が原因のことが多いです。見つけたら早めに枝を整理し、風の通り道をつくってあげてください。
品種と近縁種について
一般に「キンモクセイ」として流通するのはオレンジ色の花のものですが、近縁に白い花のギンモクセイ、淡いオレンジのウスギモクセイなどがあります。香りの強さや花色に違いはあるものの、日当たり・水やり・剪定時期といった基本の育て方はほぼ共通です。庭のイメージや好みの香りで選んでいただいてかまいません。花色にこだわりがなければ、香りがもっとも強いキンモクセイが定番で扱いやすいです。