庭木・花木育てやすさ: やさしい

ナンテン

Heavenly Bamboo / Nandina domestica

別名・品種: 南天、ナンテンドメスティカ、オタフクナンテン、シロナンテン

「難を転じる」の語呂で古くから縁起木として親しまれる常緑低木。赤い実と冬の紅葉が美しく、丈夫で山陰の庭でもよく育ちます。矮性種も人気です。

カテゴリ
庭木・花木
育てやすさ
やさしい
日当たり
半日陰〜日向。西日の強い場所は避けると安心
水やり
庭植えは根づけばほぼ雨任せ。鉢植えは表土が乾いたらたっぷり
耐えられる寒さ
-10℃前後まで耐える。山陰の冬は屋外で越冬可
大きさの目安
1〜2m程度。矮性品種は30〜50cm
原産地
中国・日本(自生説あり)
出回り時期
1〜6月・9〜12月

気をつけたいこと
果実や葉に微量のアルカロイドを含みます。犬猫や小さなお子さんが実を大量に口にしないよう注意してください。

ナンテンってどんな木

「難を転じる」に通じるとして、玄関先や鬼門に植えられてきた縁起の良い常緑低木です。細い幹がすっと立ち上がり、その先に羽根のように広がる葉をつけます。初夏に白い小花を咲かせ、秋から冬にかけて真っ赤な実が房になって垂れる姿が見どころ。冬の紅葉も美しく、正月の飾りにも使われます。

丈夫で放任でもそこそこ育つため、庭木のなかではかなり扱いやすい部類です。ただ「実がつかない」「葉色がぱっとしない」といった、この木ならではのつまずきもあるので、そのあたりを中心にお伝えします。

置き場所

半日陰から日向を好みます。一日中日が当たる場所でも育ちますが、山陰の夏の強い西日が長時間当たると葉焼けしたり、葉色がくたびれることがあります。午前中に日が当たって午後は明るい日陰、くらいの場所がちょうどよい印象です。

逆に、あまりに暗い日陰だと葉が間延びして紅葉も鈮くなり、実つきも悪くなりがちです。山陰の冬は曇りや雨の日が続いて日照が不足しやすいので、できれば冬に光が届く位置を選んであげると、実の色づきや紅葉がきれいに出やすくなります。

鉢植えの場合も同様で、明るい戸外に置くのが基本。室内の観賞用に取り込むなら短期間にとどめ、日常は屋外で育てるのがおすすめです。

水やり

庭植えは根づいてしまえば、山陰の降雨だけでほぼ足ります。植えつけ直後の1年目だけ、乾燥が続くときに水をあげてください。過湿には比較的耐えますが、水はけの悪い粘土質の場所に植えると根の調子を崩すことがあるので、植えつけ時に腐葉土などを混ぜて土をふかふかにしておくと安心です。

鉢植えは表土が乾いたら鉢底から流れるまでたっぷりと。夏は乾きが早いので朝の水やりを基本に、必要なら夕方も確認します。冬は生育が緩むので控えめにし、乾いてから与える程度で十分です。

実がつかない・葉色が冴えないとき

ナンテンでいちばん多い相談が「花は咲くのに実がつかない」というもの。原因はいくつか考えられます。ひとつは開花期の梅雨。花の時期に雨が続くと受粉がうまくいかず、実が少なくなることがあります。山陰は初夏に長雨が多いので、これはある程度仕方のない年もあります。

もうひとつは日照不足と剪定のしすぎ。花芽は前年に伸びた枝先につくため、実を見たいのに冬から春にかけて枝先をばっさり切ってしまうと、その年の実が減ってしまいます。株が若すぎる場合も、まだ充実していないので実がつきにくいです。数年かけて落ち着くのを待つのも手です。

葉色が冴えないときは、暗すぎるか、逆に強い西日で傷んでいるかのどちらかが多いです。置き場所を少し変えるだけで印象が変わることがあります。

剪定と株の更新

ナンテンは根元から新しい幹(ひこばえ)が次々と出て、株立ち状に育ちます。古い幹は年々葉が上のほうだけになり、下がすかすかになりがち。そこで、古く間延びした幹を根元から切り、若い幹を残していく「更新剪定」をすると、いつまでも下から葉のある姿を保てます。時期は実を楽しんだあとの春先が目安です。

全体を刈り込むよりも、幹を選んで抜き切りするイメージのほうがナンテンには合っています。放っておいても枯れる木ではありませんが、間延びして見苦しくなりやすいので、数年に一度は手を入れてあげてください。

品種の違いについて

一口にナンテンといっても、いくつかタイプがあります。ふつうの赤実のナンテンは1〜2mほどに育つ庭木サイズ。白い実をつけるシロナンテンや、葉が細く繊細な錦糸南天なども流通します。

近年よく見かけるのが矮性の「オタフクナンテン」。丈が30〜50cmほどで実はほとんどつきませんが、冬にみごとに赤く紅葉するので、グランドカバーや寄せ植えの足元に重宝します。育て方は基本的にどのタイプも同じで、日当たりと水はけを気にかければ、山陰の気候でも大きく失敗することは少ない木です。用途に合わせて選んでみてください。

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