庭木・花木育てやすさ: やさしい

ビバーナム・ティヌス

Laurustinus / Viburnum tinus

別名・品種: ビブルヌム・ティヌス、ビバーナム・ティナス、トキワガマズミ、ラウルスティヌス、エヴェ(品種)、スパイシー・シュガー(品種)

冬から春に白い花を咲かせ、光沢のある常緑の葉で一年中よそおいをつくる育てやすい花木。つぼみのピンクと開花後の白の対比が魅力で、生け垣にも鉢にも向きます。

カテゴリ
庭木・花木
育てやすさ
やさしい
日当たり
日なた〜半日陰。西日は避けると安心
水やり
庭植えは根付けばほぼ不要。鉢は表土が乾いたら
耐えられる寒さ
-5℃前後まで(山陰の平地なら屋外で越冬可)
大きさの目安
1〜2m程度(剪定で調整しやすい)
原産地
地中海沿岸
出回り時期
3〜6月・9〜11月

気をつけたいこと
果実や葉には弱い毒性があるとされ、ペットや小さなお子さんが口にしないよう注意してください。

ビバーナム・ティヌスってどんな木

地中海沿岸が原産の常緑低木で、日本ではトキワガマズミの名でも呼ばれます。ガマズミの仲間で、冬から春にかけて枝先に小さな花が集まって咲きます。つぼみのうちはピンクがかっていて、開くと白い花になるので、その色の移り変わりがとてもきれいです。花のあとには金属光沢のある濃い青紫の実がつくこともあります。

葉は濃い緑で厚みがあり、一年を通して落ちません。冬に庭が寂しくなりがちな山陰の気候でも、常緑で花まで咲いてくれるのはありがたい存在です。生け垣や目隠し、玄関わきのシンボル的な使い方、鉢での管理まで、幅広く楽しめます。

置き場所

日なたから半日陰まで対応できます。花つきをよくしたいなら、できるだけ日の当たる場所が向いています。ただし山陰の夏は高温多湿になりやすいので、真夏の強い西日が長時間当たる場所は葉が傷みやすく、少し光がやわらぐ場所のほうが結果的に元気に育つことが多いです。

耐寒性は比較的あり、松江市の平地であれば屋外での冬越しはおおむね問題ありません。ただ、鉢植えで根が凍るような強い寒波が続くときは、軒下など少し風の当たりにくい場所に移すと安心です。庭植えの場合は根がしっかり張れば、多少の寒さや乾燥にも耐えてくれます。

水やり

庭に植えて根付いたあとは、基本的に降った雨だけでまかなえることが多く、真夏に何日も晴天が続いて葉が力なくうなだれるようなとき以外は、あまり神経質にならなくて大丈夫です。植えつけてから最初の一年ほどは、まだ根が浅いので土の乾き具合を見て水を足してあげてください。

鉢植えは表土が乾いたらたっぷり与えます。注意したいのはむしろ与えすぎで、山陰の梅雨から夏は雨も多く空気も湿りがちなので、常に土がじめじめしていると根が傷みやすくなります。受け皿に水をためたままにしないこと、鉢底から水が抜ける状態を保つことが、蒸れ対策として効いてきます。

花が咲かない・つぼみが少ないとき

この木でよく相談を受けるのが「葉は茂るのに花が少ない」というものです。原因としてまず多いのが剪定の時期です。ビバーナム・ティヌスは秋のうちに翌年の花芽をつくり始めるので、秋以降に強く刈り込むと、せっかくの花芽ごと切ってしまいます。形を整える剪定は、花が終わった直後の初夏までに済ませるのが基本と考えてください。

もうひとつは日照不足です。半日陰でも育ちますが、あまりに暗い場所だと枝葉ばかり伸びて花が減る傾向があります。冬に日が少ない山陰では、なるべく冬でも日の差す位置に植えておくと花つきが安定しやすいです。それでも植えて間もない若い株は花が控えめなこともあり、数年かけて充実してくると花が増えていく、という育ち方をすることも多いです。

夏の蒸れとうどんこ病に気をつける

山陰の夏はとにかく蒸れやすいので、枝が混み合ってくると株の内側の風通しが悪くなり、葉に白い粉をふいたようになるうどんこ病や、葉が黒ずむ病気が出ることがあります。込み入った枝を間引いて風を通してあげると、かなり予防になります。花後の剪定のときに、内側の細い枝を少し抜くくらいの気持ちで手を入れると、翌年の見た目もすっきりします。

カイガラムシやアブラムシがつくこともあります。見つけたら早めに取り除き、必要に応じて薬剤を使うと広がりにくくなります。必ず防げるわけではありませんが、風通しと日当たりを整えておくことが、いちばんの土台になります。

品種による違い

ビバーナム・ティヌスにはいくつか流通する品種があります。つぼみのピンクが濃く出るタイプ、葉に斑が入って明るく見えるタイプ、コンパクトにまとまる小型タイプなどがあり、葉色や大きさ、寒さへの強さに多少の差があります。ただ育て方の基本はどれもほぼ共通で、日当たりと風通し、花後の剪定という点を押さえておけば、品種が変わっても同じように向き合えます。手元の株の性質を見ながら、置き場所や剪定の強さを少しずつ調整していってください。

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