観葉植物育てやすさ: ふつう

エアプランツ

Air Plant / Tillandsia spp.

別名・品種: チランジア、ティランジア、イオナンタ、ウスネオイデス

土がいらず、空気中の水分を葉から吸って育つユニークな観葉植物。飾り方が自由で人気ですが、水やりのコツをつかむのが上達の近道です。

カテゴリ
観葉植物
育てやすさ
ふつう
日当たり
明るい日陰、レースカーテン越しの光
水やり
週2〜3回、霧吹きか浸け水で葉全体を濡らす
耐えられる寒さ
5℃以上(冬は室内へ)
大きさの目安
数cm〜20cm程度(種類による)
原産地
中南米
出回り時期
通年

土がいらない、でも「放っておける」わけではない

エアプランツ(チランジア)は、木や岩にくっついて育つ着生植物です。根はおもに体を固定するためのもので、水分や養分は葉の表面にある「トリコーム」という白い鱗片から吸収します。土がいらないぶん、皿に置いたりガラスに入れたり、吊るしたりと飾り方が自由なのが魅力です。

ただ「土がいらない=水がいらない」ではありません。むしろ水やりを空気まかせにしてしまい、じわじわ乾かして枯らしてしまうケースがいちばん多いです。ここが最初のつまずきどころなので、あとで詳しく触れます。

置き場所

明るい日陰が基本です。レースのカーテン越しの窓辺くらいの、やわらかい光がよく合います。真夏の直射日光は葉焼けの原因になるので避けてください。

山陰の冬は日照が少なく、どうしても光が足りなくなりがちです。冬場は一年でいちばん明るい窓辺に寄せてあげると調子を保ちやすくなります。逆に山陰の夏は高温多湿で、風のこもった場所に置くと蒸れて弱ることがあります。エアプランツは風通しをとても好むので、窓を開けたときに空気が動く場所や、サーキュレーターがゆるく回る部屋だと安心です。閉め切った玄関やケースの中に入れっぱなしにするのは、夏場はとくに向きません。

水やり — ここが一番のコツ

水は霧吹き(ミスティング)か、水に浸ける(ソーキング)で与えます。目安は週2〜3回、葉全体がしっかり濡れるくらい霧吹きするか、週1回ほど数時間バケツの水に沈めるやり方です。ただしこれはあくまで目安で、季節や置き場所でかなり変わります。

大事なのは、水やりのあとにしっかり乾かすことです。濡れたまま長く置くと、株の中心に水がたまって腐りやすくなります。とくにソーキングのあとは、逆さにして振り、葉の間の水を切ってから風通しのよい場所で乾かしてください。

山陰の梅雨や夏は空気そのものが湿っているので、霧吹きの回数はやや控えめでも足ります。反対に、冬に暖房を使う部屋はカラカラに乾くので、思っているより水切れしていることが多いです。葉先が内側に丸まってきたり、しわが寄ってきたら乾きすぎのサイン。水をあげてしばらくすると葉が開いてくることがあります。

花が咲かない・色が変わらないとき

エアプランツは開花前に葉が赤やピンクに色づく種類が多く、これを楽しみにしている方も多いです。ところが「なかなか咲かない」という相談はよくあります。開花には十分な光と、ある程度の株の成熟が必要で、暗い場所に置いていると何年も咲かないこともあります。冬の日照が弱い山陰では、無理に咲かせようとせず、まず健康に育てることを優先するのが現実的です。咲かなくても枯れているわけではありません。

また、花が咲いたあと親株は徐々に弱り、代わりに根元から子株(仔)が出てきます。これは寿命の一部で、失敗ではありません。子株をそのまま育てると群生させることもできます。

種類による性格の違い

よく出回るものにいくつかタイプがあります。イオナンタは小型で丈夫、初めての方にも育てやすく、開花期に鮮やかに色づきます。ウスネオイデス(スパニッシュモス)は細い糸のような姿で垂らして飾れますが、乾燥に弱めなので霧吹きの頻度をやや多めにするとよいです。トリコームが目立って白っぽい「銀葉種」は乾燥に強く光を好む傾向、緑が濃い「緑葉種」はやや湿り気と明るい日陰を好む傾向、とざっくり分けられます。育て方の基本は共通ですが、自分の株が銀葉か緑葉かを見ておくと水加減の調整がしやすくなります。

弱ってきたと感じたら

中心が茶色くぶよぶよになっていたら、蒸れや水のたまりによる腐りの可能性が高く、ここまで進むと回復は難しいことが多いです。逆に葉先がパリパリに枯れてくるのは乾燥のサイン。どちらも「水のやりすぎ」か「乾かしすぎ」のどちらかに寄っていることがほとんどなので、置き場所の風通しと乾き具合を見直してみてください。環境が合えば少しずつ大きくなり、長く付き合える植物です。

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