花苗育てやすさ: ふつう

スカビオサ

Pincushion Flower / Scabiosa atropurpurea

別名・品種: スカビオサ・アトロプルプレア、マツムシソウ、西洋マツムシソウ、ピンクッションフラワー

針山のようなユニークな花姿で、春から秋まで長く咲くスカビオサ。日本のマツムシソウの仲間で、涼しげな花色と長い花期が魅力。過湿と夏の蒸れが苦手なので、水はけと風通しを意識して育てると長く楽しめます。

カテゴリ
花苗
育てやすさ
ふつう
日当たり
日当たりと風通しのよい場所
水やり
表土が乾いたらたっぷり。過湿は苦手
耐えられる寒さ
おおむね-5℃前後まで(品種差あり)
大きさの目安
草丈30〜80cm程度
原産地
南ヨーロッパ
出回り時期
3〜5月・9〜11月

どんな植物か

スカビオサは、中央がぷっくりと盛り上がり、その周りを花びらが囲む独特の花姿が特徴の花苗です。英名の「ピンクッション(針山)」の通り、まるで待ち針を刺したような可愛らしい姿をしています。日本の在来種であるマツムシソウの仲間で、こちらは西洋マツムシソウとも呼ばれます。

花色は青紫、白、ピンク、赤みの強いワインカラーなど幅広く、細い花茎の先で風に揺れる様子が涼しげです。花期が長く、切り花やドライフラワーにも向くので、庭でも鉢でも人気があります。

置き場所

日当たりと風通しのよい場所を好みます。日照が足りないと花茎がひょろひょろと伸びて花付きも悪くなりがちなので、できるだけよく日の当たる場所に置いてあげてください。

山陰の冬は曇りや雨の日が続き、日照が不足しやすい季節です。鉢植えなら、晴れ間にはできるだけ外に出して日光に当てるか、南向きの軒下など少しでも明るい場所に移してあげると調子が保ちやすくなります。もともと乾いた土地の植物なので、地面がずっと湿ったままの場所は避けたいところです。

水やり

過湿がとても苦手な植物です。鉢植えは、土の表面が乾いたのを確認してからたっぷり与え、受け皿に溜まった水はこまめに捨てるようにしてください。常に湿った状態が続くと根が傷み、株がぐったりしてしまうことがあります。

地植えの場合は、根付いてしまえば基本的に降雨だけでも育ちますが、山陰の梅雨や秋の長雨の時期は水はけの悪い場所だと根腐れの原因になります。植え付けのときに腐葉土や軽石を混ぜて水はけをよくしておくと安心です。

夏越しと蒸れ対策 ── 山陰でのいちばんのつまずき

スカビオサでいちばん難しいのが、山陰の夏の高温多湿です。涼しい気候を好む植物なので、蒸し暑さと湿気が続くと株が弱り、そのまま枯れてしまうことも珍しくありません。多年草タイプでも、日本の暑い夏では一年草のように扱われることがあるのはこのためです。

夏を越したいときは、梅雨入り前に混み合った枝を切り戻して風通しをよくし、鉢は雨の当たらない半日陰の涼しい場所に移してあげると負担が減ります。地植えでは水はけのよい高めの場所を選ぶのがコツです。それでも夏に消えてしまうことはあるので、うまくいかなくても「相性の難しい季節だった」と気楽に構えておくとよいと思います。

長く咲かせるための花がら摘み

咲き終わった花をそのままにしておくと、種を作ろうとして株が疲れ、次の花が上がりにくくなります。花が茶色くしぼんできたら、花茎ごと早めに切り取ってあげてください。こまめに花がらを摘むと、次々とつぼみが上がってきて花期が長く続きます。

肥料は生育期に薄めの液体肥料を月に1〜2回ほど与える程度で十分です。与えすぎると葉ばかり茂って花が付きにくくなることがあるので、控えめを意識してください。

品種による違い

スカビオサには一年草として扱われるものと、宿根タイプ(多年草)があり、花色や草丈もさまざまです。ワインレッドの濃い花色のものはアトロプルプレア系に多く、コンパクトにまとまる矮性タイプは鉢植え向きです。宿根タイプのなかには比較的耐寒性のあるものもありますが、いずれも夏の蒸れには弱い傾向があります。品種で大きく育て方が変わるわけではないので、まずは水はけと風通しを意識してあげれば、どのタイプでも扱いやすくなります。

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