ゲウム
Geum / Geum coccineum
別名・品種: ダイコンソウ、セイヨウダイコンソウ、ゲウム・コッキネウム、ゲウム・チロエンセ、マイタイ、トタリータンジェリン
オレンジや赤、黄色の一重〜八重の花を長い茎の先に咲かせる宿根草。ロゼット状の株からすらりと花茎が伸び、風に揺れる姿が魅力。暑さがやや苦手なので山陰の夏越しが分かれ目です。
- カテゴリ
- 花苗
- 育てやすさ
- ふつう
- 日当たり
- 日なた〜半日陰。夏は明るい半日陰が安心
- 水やり
- 表土が乾いたらたっぷり。乾かしすぎに注意
- 耐えられる寒さ
- -10℃程度まで(品種差あり、地植えで越冬しやすい)
- 大きさの目安
- 草丈20〜60cm、株張り30cm前後
- 原産地
- ヨーロッパ〜西アジア、南米など
- 出回り時期
- 3〜5月・9〜11月
ゲウムってどんな植物
バラ科ダイコンソウ属の宿根草で、丸みのある葉がロゼット状に広がり、その株元からすっと細い花茎を立ち上げて、オレンジ・赤・黄色などの花を咲かせます。花は一重の可憐なものから、ころんとした八重咲きまで品種によってさまざま。ナチュラルガーデンや寄せ植えの中で、他の草花のあいだから花茎が揺れる姿がとても軽やかです。
宿根草なので、うまく夏と冬を越せれば毎年花を楽しめます。一年で終わる草花に比べると長い付き合いができるのが魅力ですが、そのぶん夏越しという山陰らしいハードルがあります。
置き場所
基本は日なたを好みます。日当たりがよいほど花つきがよくなり、株もしまってきれいに育ちます。ただし山陰の夏は高温多湿で、真夏の強い西日はゲウムにとってかなり厳しい条件です。
春や秋はしっかり日に当て、夏は午後に日陰になる場所や、明るい半日陰へ移せると安心です。鉢植えなら季節で置き場所を変えられるので、夏越しの調整がしやすいと思います。地植えの場合は、あらかじめ夏に半日陰になる落葉樹の株元などを選んでおくと管理がぐっと楽になります。
冬は寒さに比較的強く、松江あたりの平地なら地植えでも越冬しやすいです。ただし品種によって耐寒性に差があるので、極端に冷える場所では株元に腐葉土を敷いておくと安心です。
水やり
乾燥にはあまり強くありません。表土が乾いたらたっぷりと与えてください。特に開花中や生育期の春は水を欲しがるので、鉢の場合は水切れさせると花がしぼんだり、つぼみが上がらなくなったりします。
一方で、山陰の梅雨から夏にかけては、じめじめした過湿で株が蒸れて傷みやすくなります。水やりの頻度よりも「風通し」と「水はけ」が夏越しのカギです。鉢は雨が続くときは軒下に移す、地植えは水がたまらない場所を選ぶ、といった工夫が効いてきます。乾きすぎも蒸れすぎもどちらも苦手、というやや神経質な面があると思ってください。
山陰でいちばんつまずくのは「夏越し」
ゲローム最大の弱点は暑さです。西日本の平地、しかも高温多湿の山陰では、夏に株が弱って消えてしまうケースが正直めずらしくありません。花が終わったあとの夏をどう乗り切るかで、翌年また咲くかどうかが決まります。
ポイントは、風通しのよい涼しい半日陰に置くこと、蒸れの原因になる古い葉や枯れ込んだ葉をこまめに取り除くこと、そして肥料を夏は控えることです。真夏に肥料が効きすぎると根が傷みやすくなります。花が一段落したら花茎を切り戻しておくと、株の体力を温存でき、秋にもう一度咲いてくれることもあります。
それでも夏に弱ってしまうことはあります。うまくいかなかったときは、涼しい場所での鉢管理に切り替えてみる、あるいは一年草的に春の開花を楽しむ、と割り切るのもひとつの付き合い方です。
花を長く楽しむために
咲き終わった花をこまめに摘み取る「花がら摘み」をすると、次のつぼみが上がりやすくなり、開花期間が延びやすいです。放っておくとタネをつけて株が疲れてしまうので、傷んだ花は早めに切ってあげてください。
数年育てると株が混み合ってきて、中心が弱ってきたり花つきが落ちてきたりします。そのときは春か秋の涼しい時期に株分けをすると若返ります。ちょうど蒸れ対策にもなるので、混み合ってきたなと感じたら検討してみてください。
肥料は春と秋の生育期に緩効性のものを控えめに。与えすぎは徒長や夏の弱りにつながるので、少なめを心がけるくらいでちょうどよいです。
品種による違い
ゲウムには花色や咲き方の違う品種が多くあります。オレンジ系の八重咲き、赤みの強いもの、黄色の一重など見た目はさまざまですが、育て方の基本はほぼ共通です。
ただ、耐寒性や耐暑性は品種で幅があります。原種に近いタイプは丈夫な傾向がある一方、花色を重視した園芸品種のなかには暑さにより弱いものもあります。ラベルに耐寒・耐暑の目安が書かれていることが多いので、地植えで長く育てたい場合は丈夫めのタイプを選ぶと、山陰の気候では育てやすいと思います。