どんな植物か

ロシアンセージは、白銀色の細い茎に小さな青紫の花を無数につけ、夏から秋にかけて株全体が青い霞のように見える宿根草です。「セージ」と名前にありますがハーブのセージ(サルビア)とは別もので、かつてはペロフスキアと呼ばれていました。学名も見直され、今はSalvia yangiiとされています。葉や茎をこするとセージに似た清涼感のある香りがあります。

もともと中央アジアの乾いた高地に育つ植物なので、乾燥と寒さにはとても強い一方、日本の、とくに山陰のようなジメジメした気候とはやや相性に差があります。そのクセさえ押さえれば、植えっぱなしでも毎年育つ扱いやすい宿根草です。

置き場所

とにかく日当たりが好きです。一日を通してよく日が当たる場所に置いてください。半日陰でも枯れはしませんが、茎がひょろりと伸びて倒れやすくなり、花つきも寂しくなりがちです。

山陰の冬は日照時間が短く曇天が続きますが、ロシアンセージは冬に地上部が枯れて休眠するので、冬の日照不足はさほど問題になりません。むしろ気をつけたいのは梅雨から夏にかけての多湿です。風通しが悪い場所に密に植え込むと、株元が蒸れて下のほうから傷むことがあります。地植えでも鉢でも、株と株の間を空けて風が抜けるようにしてあげると調子がよくなります。

水やり

地植えで根づいてしまえば、よほどの日照りが続かない限り水やりはほとんど要りません。もともと乾いた土地の植物なので、乾かしぎみのほうが締まって育ちます。

鉢植えの場合は、土の表面がしっかり乾いてからたっぷり与えてください。受け皿に水をためっぱなしにしたり、乾く前にまた与えたりすると、根が傷んで元気をなくすことがあります。山陰は梅雨や秋の長雨で土が乾きにくい時期があるので、その間は水やりを控えめにし、鉢は雨の当たりすぎない軒下などに移すと安心です。排水のよい土を使うこともポイントです。

山陰で気をつけたい「蒸れ」と「倒れ」

この植物でつまずきやすいのが、夏の蒸れと、草丈が伸びたときの倒れです。

高温多湿が続くと、風通しの悪い株は株元が黒ずんで枯れ込むことがあります。混み合った茎を間引いたり、梅雨前に一度切り戻して風を通してやると、蒸れを防ぎやすくなります。

また、肥沃な土や肥料のやりすぎで元気がよすぎると、茎が間のびして花の重みで倒れてしまうことがあります。ロシアンセージはやせぎみの土のほうが茎が締まって自立しやすいので、肥料は控えめで十分です。春に一度、株の下のほうまで思い切って切り戻しておくと、低くまとまって倒れにくくなります。倒れても枯れるわけではないので、支柱を立てたり、周りの植物にもたれさせる使い方もあります。

剪定と冬越し

ロシアンセージは冬になると地上部が枯れますが、根は生きています。山陰の冬の寒さには十分耐えるので、地植えなら特別な防寒はほとんど要りません。枯れた茎はそのまま冬の間の目印として残しておき、春に新芽が動き出す前に、株元近くまで切り戻すと、その年もきれいな姿で伸びてきます。

切るのが早すぎたり遅すぎたりで一時的に姿が乱れることもありますが、生命力のある植物なので、多少失敗してもまた吹いてくることが多いです。鉢植えで寒風や霜柱が気になる場合は、軒下に寄せる程度で越冬しやすくなります。

品種と選び方

流通するロシアンセージには、昔ながらの大型でよく茂るタイプのほかに、「リトルスパイア」「ブルースパイア」といった草丈を抑えたコンパクトな品種もあります。背の低い品種は倒れにくく、小さな花壇や鉢でも扱いやすいのが魅力です。葉色や花の濃さに多少の違いはありますが、乾燥と日当たりを好み、蒸れを嫌うという基本の性質はどれも共通しています。置き場所の広さや、ほかの植物との高さのバランスで選ぶとよいでしょう。