観音竹
Lady Palm / Rhapis excelsa
別名・品種: カンノンチク、ラピス、シュロチク
手のひらを広げたような照りのある葉が涼しげな、昔から親しまれる和のヤシ。日陰と寒さに比較的強く丈夫で、初めての観葉植物にも向きます。ゆっくり育ち、株分けで長く楽しめます。
- カテゴリ
- 観葉植物
- 育てやすさ
- やさしい
- 日当たり
- 明るい日陰。直射日光は避ける
- 水やり
- 表土が乾いたらたっぷり。冬は控えめに
- 耐えられる寒さ
- 0℃前後まで(寒さに強い方)
- 大きさの目安
- 卓上サイズ〜1.5m程度
- 原産地
- 中国南部
- 出回り時期
- 通年
観音竹ってどんな植物
観音竹は中国南部原産のヤシの仲間で、江戸時代から日本で盛んに育てられてきた歴史ある観葉植物です。名前に「竹」と付きますが竹ではなく、地際から細い茎が何本も立ち上がり、その先に手のひらを広げたような濃い緑の葉を付けます。テカリのある葉が涼しげで、和室にも洋室にもなじむ落ち着いた雰囲気が魅力です。
生育がゆっくりで暴れにくく、日陰にも寒さにも比較的強い。丈夫さでいえば観葉植物のなかでもトップクラスで、「あまり手をかけられないけれど緑を置きたい」という方に昔から選ばれてきました。
置き場所
レースのカーテン越しの光が入る明るい日陰が理想です。もともと林床で育つ植物なので強い直射日光は苦手で、夏の窓辺に直接置くと葉焼けを起こして白っぽく傷むことがあります。とはいえ暗すぎると新しい葉が出づらく、茎ばかり間延びして貧弱になりがちです。「レースのカーテン越し」を目安にしてください。
山陰の冬は日照が少なく、室内が薄暗くなりがちです。観音竹は耐陰性が高いので冬の日照不足はさほど問題になりませんが、できるだけ明るい窓辺に寄せてあげると春の芽吹きが良くなります。逆に、置き場所を暗くしすぎたまま水を多くやると根が傷みやすいので注意です。
水やり
春から秋の生育期は、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。ヤシの仲間らしく、根が乾ききるのは好みませんが、常に湿っているのも根腐れのもとになります。指で土に触れて乾きを確かめる習慣をつけると失敗が減ります。
冬は生育がほぼ止まるので水やりの間隔を大きくあけ、表土が乾いてさらに数日おいてから与えるくらいで十分です。山陰の冬は空気が湿っていて土も乾きにくいので、全国向けの解説よりさらに控えめでちょうどいいことが多いです。受け皿に溜まった水はこまめに捨ててください。
葉先が茶色く枯れる・葉が黒くなるとき
観音竹でいちばん多い相談が「葉先が茶色くカサカサになる」というものです。原因はいくつかあり、エアコンの風が直接当たって乾燥している、水切れを繰り返している、あるいは逆に根詰まりや根腐れで水を吸えていない、といったケースが考えられます。まず風の当たらない場所へ移し、水やりのリズムを見直してみてください。枯れた葉先は元には戻らないので、気になれば清潔なはさみで斜めにカットすると見た目が整います。
葉全体がだんだん黒ずんで垂れる場合は、冬の水のやりすぎによる根の傷みを疑います。山陰の多湿な冬は特に起こりやすいので、寒い時期はぐっと乾かし気味に管理してください。また、空気が乾く冬はハダニが付くことがあり、放っておくと葉がかすれたように色あせます。ときどき葉裏を霧吹きで湿らせたり、濡らした布で拭いてやると予防になります。
種類と選び方
流通名では「カンノンチク」「ラピス(ラピスは学名Rhapisの読みに由来する呼び方)」などと表記されます。葉に白や黄色の斑が入る観賞価値の高い園芸品種も古くから作られてきました。斑入りタイプは通常の緑葉種よりやや弱く、強い光で斑が焼けやすいので、より穏やかな明るさで育てるのが無難です。よく似た仲間にシュロチクがありますが、こちらは葉が細く長く裂ける点で見分けられます。育て方の基本はどれもほぼ同じと考えて差し支えありません。
植え替えと株分け
生育はゆっくりですが、数年経つと鉢の中が根でいっぱいになり水はけが悪くなります。2〜3年に一度、5〜9月の暖かい時期を選んで一回り大きな鉢へ植え替えると調子が戻ります。株が込み合ってきたら、このタイミングで株分けをして殖やすこともできます。無理に細かく分けず、それぞれに茎と根がしっかり付くように分けるのがコツです。ゆっくり育つぶん、うまくいけば何十年も付き合える息の長い植物です。