花苗育てやすさ: やさしい

プリムラ

Primrose / Primula spp.

別名・品種: プリムローズ、サクラソウ、ポリアンサ、ジュリアン、オブコニカ、マラコイデス

冬から春にかけて次々と花を咲かせる、寒い季節の代表的な花苗。ジュリアンやポリアンサなど種類が豊富で、色数も多く、寒さに比較的強いので山陰の冬花壇にも使いやすい植物です。

カテゴリ
花苗
育てやすさ
やさしい
日当たり
日なた〜半日陰。冬はよく日に当てる
水やり
土の表面が乾いたらたっぷり。花や葉に水をかけない
耐えられる寒さ
種類により0〜5℃程度(マラコイデスはやや弱め)
大きさの目安
草丈10〜30cm程度
原産地
ヨーロッパ・中国など北半球の温帯
出回り時期
1〜4月・10〜12月

気をつけたいこと
オブコニカの葉や茎の毛にはプリミンという成分があり、触れると人によってかぶれることがあります。作業のときは手袋を使うと安心です。

プリムラってどんな花

プリムラは冬から春の花壇や寄せ植えの主役になる花苗です。「サクラソウの仲間」と言われると分かりやすいかもしれません。株の中心から放射状に葉を広げ、その間から次々と花茎を伸ばして咲きます。花色は赤・ピンク・黄・白・青系・複色まで本当に幅広く、寒い時期に色を足したいときに頼りになります。

よく流通する種類としては、小輪で株がこんもりまとまる「ジュリアン」、やや大きめの花が株元でまとまって咲く「ポリアンサ」、細かい花がふんわり立ち上がる「マラコイデス(オトメザクラ)」、大輪の「オブコニカ」などがあります。育て方はどれもよく似ているので、この記事ではまとめて扱いますが、耐寒性には少し差があります。ジュリアンやポリアンサは寒さに比較的強く、マラコイデスやオブコニカはやや寒さに弱め、と覚えておくと置き場所を決めやすいです。

置き場所

プリムラは日光が好きです。特に冬はしっかり日に当てるほど花付きがよくなり、株も締まって元気に育ちます。日照が足りないと葉ばかり茂って花が上がりにくくなったり、茎が間のびして倒れやすくなったりします。

山陰の冬は曇りや雨、雪の日が続いて日照が不足しがちです。晴れた日にはできるだけ日の当たる場所に出し、軒下や玄関前など少しでも明るい場所を選んであげてください。ただし霜や凍結には注意が必要で、特にマラコイデスやオブコニカは冷え込みが強い日は軒下や室内の窓辺に取り込んだ方が安心です。ジュリアンやポリアンサは氷点下近くまでなら屋外でも耐えることが多いですが、松江の底冷えする夜は鉢を壁際に寄せるなど工夫すると花が傷みにくくなります。

水やり

土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷり与えます。プリムラは水切れすると花や葉がしおれやすいので、乾かしすぎには気をつけたいところです。

注意したいのが水のかけ方です。株の中心や花に水がかかった状態が続くと、山陰の多湿な冬では蒸れて灰色かびが出たり、花が溶けるように傷んだりします。水は株元の土にそっと注ぐようにして、葉や花の上からのシャワーは避けてください。受け皿に溜まった水も長く置かないようにします。冬は気温が低いと乾きが遅いので、毎日やらず「乾いてから」を守る方が根が傷みにくいです。

花がら摘みと長く咲かせるコツ

プリムラは咲き終わった花をこまめに取ってあげると、次の花が上がりやすくなります。しおれた花は花茎の付け根から指でつまんで抜くように取ると、株元に残ってカビの元になるのを防げます。黄色くなった下葉も同じように取り除くと、風通しがよくなって蒸れにくくなります。

開花期間が長いので、月に数回うすめた液体肥料を与えると花数を保ちやすいです。ただし真冬で生育がゆっくりなときは肥料を控えめにした方が無難です。花がぱたっと止まったように見えても、日照と花がら摘みが足りているとまた咲いてくることがあるので、あきらめずに様子を見てあげてください。

つまずきやすいところ

よくあるのが「株の中心が茶色く溶ける」トラブルです。これは中心に水が溜まったり、枯れ花が残って蒸れたりして起きることが多いです。水は株元へ、花がらはこまめに、を意識するとかなり防げます。

もう一つは「暖かい室内に置きっぱなしで花が上がらない」ケース。プリムラは涼しさと日光で花を咲かせるタイプなので、暖房の効いた部屋の奥に置くと徒長したり花付きが悪くなったりします。できれば涼しく明るい場所が向いています。

春から夏の扱い

プリムラはもともと涼しい気候を好む植物で、山陰の夏の高温多湿はとても苦手です。花壇や鉢で越夏させるのはかなり難しく、一年草のように春で終わりと考えて楽しむ方が気楽です。うまく夏を越したい場合は、花後に風通しのよい半日陰へ移し、乾かし気味に管理して涼しく過ごさせますが、それでも夏に消えてしまうことは珍しくありません。長く付き合うより、冬から春の彩りとして毎シーズン迎える花、と捉えておくと肩の力が抜けると思います。

近い性質の植物

植物辞典の一覧に戻る