観葉植物育てやすさ: やさしい

フィロデンドロン

Philodendron / Philodendron spp.

別名・品種: フィロデンドロン・セローム、セローム、ヒトデカズラ、フィロデンドロン・オキシカルジウム、シルバーメタル、バーキン、ピンクプリンセス

つる性から立ち性まで種類が豊富な熱帯の観葉植物。丈夫で耐陰性があり、初めての一鉢にも向きます。山陰の冬越しと多湿対策のコツをまとめました。

カテゴリ
観葉植物
育てやすさ
やさしい
日当たり
明るい日陰〜レース越しの光。直射は避ける
水やり
土の表面が乾いたらたっぷり。冬は控えめに
耐えられる寒さ
5℃以上(冬は室内へ)
大きさの目安
卓上サイズ〜1.5m程度
原産地
中南米の熱帯
出回り時期
通年

気をつけたいこと
樹液にシュウ酸カルシウムを含み、口にすると口内が荒れることがあります。犬猫や小さなお子さんが葉をかじらない場所に置くと安心です。切り口の樹液で手が荒れる方もいるので、剪定後は手を洗ってください。

どんな植物か

フィロデンドロンは中南米の熱帯に自生するサトイモ科の仲間で、種類が非常に多いのが特徴です。ハート形の葉をつるで伸ばすタイプ(オキシカルジウムなど)から、切れ込みの入った大きな葉を放射状に広げる立ち性のセローム、丸みのある葉に模様が入るバーキンやシルバーメタルまで、姿は実にさまざまです。共通しているのは丈夫で耐陰性が高いこと。空間に合わせて選びやすく、観葉植物に慣れていない方が最初に育てる一鉢としてもすすめやすい種類です。

名前は「木を愛する」という意味で、自生地では木に登りながら育つものが多くあります。この性質を知っておくと、支柱を立てたい種類か、垂らして飾りたい種類かの見分けがつきやすくなります。

置き場所(山陰の冬に注意)

明るい日陰が得意です。レースのカーテン越しの光が当たるくらいがちょうどよく、真夏の直射日光は葉焼けの原因になるので避けてください。逆に暗すぎる場所に長く置くと、葉と葉の間隔が間延びしたり、模様のある品種で色が薄くなったりすることがあります。

松江をはじめ山陰は冬の日照が全国的に見てもかなり少ない地域です。曇りや雨の日が続くと室内はさらに暗くなりがちなので、冬場は思い切って一番明るい窓辺に寄せてあげるとよいでしょう。ただし窓ぎわは夜間の冷え込みが強いので、夜だけ少し部屋の内側へ動かすなどの工夫をすると安心です。

水やり

春から秋の生育期は、土の表面が乾いたらたっぷりと、鉢底から水が流れ出るくらい与えます。受け皿にたまった水はそのままにせず捨ててください。根が常に濡れていると根腐れにつながります。

冬は成長がゆるやかになるので、水やりの回数を減らして土がしっかり乾いてから与えます。山陰の冬は室内でも湿気がこもりやすく、水が乾きにくい時期です。全国向けの本に「乾いたら」と書いてあっても、こちらでは土の中まで乾くのに思ったより日数がかかることがあります。表面だけでなく、鉢を持ち上げて軽くなったか、指を土に入れて中の湿り気を確かめてから与えると失敗が減ります。

つまずきやすいポイント

よくある相談が「新しい葉が小さい」「セロームの切れ込みが浅い」というものです。これは光不足や株の若さが関係していることが多いです。切れ込みの入る種類は、株が充実して大きく育つにつれて深い切れ込みの葉を出すようになる傾向があります。若い株のうちは切れ込みが浅くても心配しすぎず、明るさと肥料を確保して育てていくと変わってくることがあります。

もうひとつ、つる性タイプで茎が長く伸びて葉がまばらになる「徒長」も起きやすい失敗です。原因の多くは光不足で、山陰の冬に特に出やすい症状です。伸びすぎた部分は思い切って切り戻すと、切った下から新しい芽が出て姿が整いやすくなります。切った茎は水にさして発根させられることも多く、株を増やす楽しみにもつながります。

下葉が黄色くなって落ちるのは、古い葉の自然な入れ替わりのこともあれば、水のやりすぎや冷えのサインのこともあります。一枚ずつではなく複数の葉が急に傷むときは、根の状態や置き場所の温度を見直してみてください。

種類による違い

同じフィロデンドロンでも見た目や性質に幅があります。オキシカルジウム(ヒメカズラ)は垂れ下がる姿がきれいでとても丈夫、初心者向きです。セロームは大きく育つ立ち性で存在感があり、寒さにも比較的強めとされます。バーキンやシルバーメタル、ピンクプリンセスといった模様や葉色を楽しむ品種は、色をきれいに保つためにやや明るさを必要とする傾向があります。育て方の基本はどれも共通していますが、色ものの品種は光がやや多めと覚えておくとよいでしょう。

冬越しと肥料

耐寒温度の目安は5℃ほどで、それより冷えると弱ることがあります。冬は必ず室内に取り込み、暖房の風が直接当たらない場所に置いてください。暖房で乾燥する時期は、時々葉に霧吹きをすると葉先の傷みが和らぎます。肥料は生育期の春から秋に、緩効性のものを控えめに与える程度で十分です。冬は生育が止まるので肥料は休ませます。植え替えは根が詰まってきたら、暖かくなる5〜7月ごろに一回り大きな鉢へ。環境で育ち方は変わるので、様子を見ながら手をかけてあげてください。

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