ペチュニア
Petunia / Petunia × hybrida
別名・品種: 八重咲きペチュニア、ダブルペチュニア、サフィニア、ゲブラナガトヨ、カリブラコア(近縁の別種)
春から秋まで長く咲き続ける定番の花苗。八重咲き品種は花びらが幾重にも重なり、まるでバラのような豪華さです。山陰の梅雨と夏の蒸れ対策がきれいに咲かせるコツになります。
- カテゴリ
- 花苗
- 育てやすさ
- ふつう
- 日当たり
- よく日の当たる屋外。半日以上の日照が理想
- 水やり
- 土の表面が乾いたらたっぷり。夏は毎日、株を蒸らさないよう根元へ
- 耐えられる寒さ
- 0℃前後まで。基本は一年草扱い(霜には弱い)
- 大きさの目安
- 株張り30〜60cm、こんもりドーム状に広がる
- 原産地
- 南アメリカ(園芸品種は交配種)
- 出回り時期
- 3〜6月・9〜10月
どんな花か
ペチュニアは、春から秋にかけて次々と花を咲かせてくれる、花壇や寄せ植えの主役になる花苗です。一重の品種もにぎやかで魅力的ですが、八重咲き(ダブル)の品種は花びらが何枚も重なって、小さなバラやカーネーションのように見えます。ゲブラナガトヨさんをはじめ、国内の育種家さんが独自に作り出した八重咲き品種は色や咲き方に個性があり、ひと鉢あるだけで玄関先がぐっと華やかになります。
本来は南アメリカ原産の多年草ですが、日本では冬越しが難しいため一年草として扱うのが一般的です。うまく管理すれば春から霜が降りる頃まで、半年近く咲き続けてくれます。
置き場所
とにかく日光が好きな花です。半日以上、できれば一日じゅう日の当たる屋外に置いてください。日照が足りないと茎ばかり伸びて花付きが悪くなり、ひょろひょろとした姿になりやすいです。
山陰の冬は日照が少なく気温も低いので、鉢植えを冬越しさせるのはなかなか難しいのが正直なところです。無理に越冬を狙うより、春に新しい苗から始めるほうが結果的にきれいに咲くことが多いです。梅雨から夏にかけては、雨に長く当たり続けると花が傷み、株も蒸れやすくなります。軒下など、雨を少し避けられる場所があると管理が楽になります。
水やり
生育期はよく水を吸います。土の表面が乾いたらたっぷり与えてください。花盛りの夏は朝晩で乾ききることもあり、毎日の水やりが必要になる日もあります。
このとき気をつけたいのが、水を花や葉の上からかけないこと。八重咲きの花は花びらが密集していて、濡れると溶けたように傷んだり、そこからカビが出たりします。株元の土にそっと注ぐようにしてください。逆に、鉢が常にじめじめしていると根が傷むので、乾いてからしっかり、というメリハリが大切です。山陰の梅雨どきは土が乾きにくいので、この時期はむしろ水やりを控えめに見ていきます。
蒸れと切り戻し ― ここが山陰でのつまずき
ペチュニア、特に八重咲きで最大の悩みが「株の蒸れ」です。梅雨から夏の高温多湿の時期、こんもり茂った株の内側は風が通らず、下のほうの葉や茎が黒く傷んで枯れ込んでくることがあります。山陰の湿気の多い夏では、これがかなり起こりやすいと思っておいてください。
対策は、思いきった切り戻しです。梅雨入り前や、花が一段落して間延びしてきたタイミングで、株全体を半分くらいの高さまでバッサリ切ります。もったいなく感じますが、風通しがよくなって蒸れを防げますし、2〜3週間ほどで新しい枝が伸びてまた花が咲きそろいます。切ったあとに薄めた液体肥料を足すと、回復と次の花付きを助けてくれます。
また、咲き終わった花はこまめに摘み取ってください。花がら(枯れた花)を残しておくと、そこから傷みが広がったり、種を作ろうとして株が疲れたりします。八重咲きは花がらが目立ちにくいので、意識して取り除くのがきれいに咲かせるコツです。
肥料と長く咲かせるコツ
ペチュニアは花数が多いぶん、肥料をよく必要とします。植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜておき、生育期は1〜2週間に一度、薄めた液体肥料を追加で与えると花が途切れにくくなります。肥料が切れると葉の色が薄くなり、花もぽつぽつとしか付かなくなってきます。
品種のちがい
ペチュニアには一重・八重、大輪・小輪、こぼれるように枝垂れるタイプなど、たくさんの系統があります。八重咲き品種は花が豪華な反面、雨や蒸れに弱く、切り戻しなどの手入れをしたぶんだけ応えてくれる性格です。似た花にカリブラコア(近縁の別種で花が小ぶり)もあり、こちらは花が小さめで比較的雨に強い傾向があります。どれも日光と風通し、こまめな花がら摘みという基本は共通しているので、まずはそこを押さえておけば、品種が変わっても同じ感覚で育てられます。