観葉植物育てやすさ: むずかしい

パキポディウム

Pachypodium / Pachypodium spp.

別名・品種: グラキリス、塊根植物、コーデックス、パキポジウム、Pachypodium rosulatum var. gracilius

ぷっくりした幹に水をたくわえる塊根植物の代表格。とにかく光が好きで、山陰の冬の日照不足と多湿が最大の関門です。グラキリスをはじめ姿の面白さで人気ですが、育てやすさより「見て楽しむ」気持ちで付き合いたい一鉢です。

カテゴリ
観葉植物
育てやすさ
むずかしい
日当たり
一年を通してできるだけ明るい直射日光
水やり
生育期はしっかり、休眠期はほぼ断水
耐えられる寒さ
10℃以上を目安(冬は必ず室内へ)
大きさの目安
手のひらサイズ〜数十cm
原産地
マダガスカル、アフリカ南部
出回り時期
3〜9月

気をつけたいこと
茎や枝に鋭いとげを持つ種類が多く、植え替えや移動のときは軍手を使うと安心です。折れた部分から出る樹液は口に入れないよう、小さなお子さんやペットの手が届かない場所に置いてください。

パキポディウムってどんな植物

パキポディウムは、マダガスカルやアフリカ南部の乾燥地に自生する多肉質の植物です。ぷっくりとふくらんだ幹や根(塊根)に水と養分をたくわえ、雨の少ない土地を生き抜くように進化してきました。近年人気の「グラキリス」もこの仲間で、丸い塊根から細い枝がにょきっと伸びる独特の姿が魅力です。「塊根植物」「コーデックス」と呼ばれるグループの代表格として扱われることも多い植物です。

観葉植物として売られていますが、性質はほぼサボテンや多肉植物に近く、一般的な観葉植物の感覚で育てるとつまずきやすいのが正直なところです。まず「乾燥した土地で強い日を浴びて育つ」という前提を頭に入れておくと、管理の方向性がぶれません。

置き場所は「これでもか」というほど明るく

パキポディウムは光がとにかく好きです。日照が足りないと枝がひょろひょろ間延びしたり、葉の色が薄くなったりします。春から秋の生育期は、屋外の直射日光がよく当たる場所か、室内なら南向きの窓辺の一番明るい特等席が向いています。

ここで山陰の気候が大きく関わってきます。松江の冬は曇りや雨、雪の日が続き、日照時間が全国的に見ても短い地域です。冬に室内へ取り込んだあと、光不足で調子を崩しやすいのが山陰ならではの難所です。冬でもできるだけ明るい窓辺に置き、天気のいい日は少しでも光を当ててあげてください。どうしても光が足りない環境では、植物用のライトを補助的に使う方も多いです。

夏は逆に注意が必要です。もともと日光は好きですが、山陰の夏は高温多湿で、風の通らない場所に置くと蒸れて根や幹を傷めることがあります。屋外に出す場合も風通しを意識してください。

水やりは季節でメリハリを

水やりは生育期と休眠期でまったく変えます。春から秋、葉がしっかり茂って元気に育っている時期は、土がすっかり乾いてから鉢底から流れ出るくらいたっぷり与えます。塊根植物というと「水をやらない植物」と思われがちですが、生育期はむしろよく水を吸います。

問題は冬です。気温が下がると多くのパキポディウムは葉を落として休眠に入ります。この時期に水を与えすぎると、根や塊根が腐って一気にだめになることがあります。休眠中はほぼ断水、暖かい室内で葉が残っている場合でも月に一度ごく少量、という控えめな管理が無難です。山陰の冬は湿度が高く、ただでさえ乾きにくいので、全国向けの解説よりさらに水を絞るくらいの気持ちがちょうどいいと感じます。

つまずきやすいのは「冬越し」と「葉が落ちる不安」

パキポディウムを育てていて一番心配になるのが、秋から冬に葉がぱらぱら落ちていくことです。これは多くの場合、寒さや日照の変化を感じ取って休眠に入るための自然な現象で、必ずしも枯れているわけではありません。慌てて水をやってしまうとかえって傷めるので、葉が落ちても幹がふっくら硬いままなら、そっと乾かして春を待ちます。

ただし、幹がぶよぶよと柔らかくなったり、へこんできたりしたら、こちらは根腐れのサインであることが多いです。冬の多湿と水のやりすぎが重なると起こりやすく、残念ながら回復が難しいケースもあります。松江の冬は最低気温が10℃を下回る日が続くので、屋外放置は避け、暖かい室内で管理してください。窓際は夜間に思いのほか冷え込むため、夜だけ部屋の内側へ寄せるといった気配りが効いてきます。

種類による違いを少しだけ

パキポディウムには多くの種があり、丸い塊根が主役のグラキリス、上へ柱状に伸びるラメリーやゲアイー、平たく育つブレビカウレなど姿はさまざまです。葉色や枝ぶり、育つ大きさは種によって違いますが、「明るく・生育期は水を、休眠期は断水気味に・冬は室内で暖かく」という基本の育て方はおおむね共通しています。品種の違いに気を取られるより、まずは目の前の一鉢の様子をよく観察して、その株のペースをつかむことが上達の近道だと思います。姿の面白さを楽しみながら、じっくり長く付き合ってみてください。

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