観葉植物育てやすさ: むずかしい

アジアンタム

Maidenhair Fern / Adiantum raddianum

別名・品種: ホウライシダ、メイデンヘアファーン、アジアンタム・フリッツルーシー、アジアンタム・フラグランス

糸のような黒い葉柄に、透けるほど繊細な葉をふわりと広げるシダ。空気の乾燥にとても敏感で、水切れするとすぐにチリチリになります。湿度を保てるかどうかが育て方の分かれ目です。

カテゴリ
観葉植物
育てやすさ
むずかしい
日当たり
直射を避けた明るい日陰。レースカーテン越しが目安
水やり
用土が乾く前にたっぷり。乾燥を極端に嫌う
耐えられる寒さ
5℃以上(できれば8℃以上、冬は室内へ)
大きさの目安
卓上サイズ〜30cm程度
原産地
熱帯〜温帯の広い地域
出回り時期
3〜10月

どんな植物か

アジアンタムは、細い黒い葉柄の先に、うすくて繊細な小葉をたくさん広げるシダの仲間です。風に揺れると全体がふわっと動いて、とても涼しげ。観葉植物のなかでも「難しい」と言われることが多いのですが、理由はほぼひとつで、乾燥にものすごく弱いからです。逆に言えば、湿度さえ切らさなければ、多少ほったらかしでも元気に葉を増やしてくれます。

山陰の気候との相性で言うと、冬の外の湿度が高いこと自体はアジアンタム向きです。問題になるのは、冬に暖房を入れた室内の乾燥と、夏の高温です。ここをどう乗り切るかがポイントになります。

置き場所

直射日光は苦手です。夏の窓辺に置くと、葉が焼けて茶色くパリパリになってしまいます。レースカーテン越しの明るい日陰くらいがちょうどいい光量です。

暗すぎても間延びして弱々しくなるので、「明るいけれど直射は当たらない」場所を探してあげてください。北向きや東向きの窓辺、リビングの奥の明るい一角などが向いています。

そしてもうひとつ大事なのが、エアコンやヒーターの風が直接当たらないこと。温風でも冷風でも、風が当たった部分から一気に乾いて葉が縮れます。山陰の冬は室内で暖房を使う時間が長いので、風の通り道を避けて置くだけでもだいぶ違います。洗面所や浴室まわりなど、湿度が高めの場所も実は好相性です。

水やりと湿度

アジアンタムでいちばん気をつけたいのが水やりです。他の観葉植物のように「乾いてから」を意識しすぎると、水切れさせてしまいます。用土の表面がしっかり乾き切る前に、たっぷり与えるくらいでちょうどいいことが多いです。

ただし鉢皿に水をためっぱなしにすると根が傷むので、受け皿の水はこまめに捨ててください。「土は湿っているのに空気は乾かす」というのが理想です。

葉が薄いので、空気の乾燥にも敏感です。特に暖房で乾く冬は、霧吹きで葉水をこまめにかけてあげると調子を保ちやすくなります。朝晩に一度ずつでも効果があります。夏の高温多湿の時期は、風通しを確保しつつ、水切れだけは避けるようにしてください。蒸れよりも乾燥のほうがずっと致命的になりやすい植物です。

チリチリになったときの対処

アジアンタムを育てていて必ずと言っていいほど出会うのが、「葉が茶色くチリチリに縮れてしまった」という状態です。原因はほとんどが水切れ、または風による乾燥です。

がっかりして処分してしまう方も多いのですが、株が生きていれば復活することがよくあります。傷んだ葉柄は根元近くでばっさり切り戻し、湿度の高い場所に置いて水やりを続けてみてください。数週間から一、二か月ほどで、根元から新しい葉柄がくるくると立ち上がってくることがあります。

もちろん、乾燥が長引いて根までダメージが及んでいると戻らないこともあります。それでも、一度チリチリになったからといってすぐ諦めなくて大丈夫です。切り戻して待つ、というのはこの植物との付き合いでよくやる作業です。

品種による違い

流通しているアジアンタムにはいくつかタイプがあります。ふんわり細かい葉が密につく一般的なタイプのほか、新芽がほんのりピンク色を帯びるもの、葉がやや大きめでしっかりしたものなどがあります。フリッツルーシーやフラグランスといった名前で出回ることもあります。

ただ、見た目に多少の差はあっても、育て方の基本はどれもほぼ同じです。乾燥に弱く、直射を嫌い、湿度を好む、という性質は共通しています。品種選びよりも、置き場所と水やりのほうがずっと結果を左右すると考えておいてください。

上手に付き合うために

アジアンタムは、正直に言えば手のかかる植物です。数日水やりを忘れただけで葉を落とすこともあります。でも、湿度の合う場所を見つけてあげると、次々に新しい葉を広げて、驚くほど生き生きとした姿を見せてくれます。

完璧に管理しようと気負わず、「乾かさない」「風を当てない」「直射を避ける」の三つだけ意識してみてください。うまくいかない時期があっても、切り戻して待てば持ち直すことも多い植物です。長く付き合うつもりで、のんびり育ててみてください。

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