庭木・花木育てやすさ: やさしい

マキ

Buddhist Pine / Podocarpus macrophyllus

別名・品種: イヌマキ、ラカンマキ、犬槙、羅漢槙

日本の生垣や庭を長く支えてきた常緑針葉樹。濃い緑の葉が密につき、刈り込みに強くて丈夫。潮風や日陰にも耐え、山陰の庭でも扱いやすい和の定番です。

カテゴリ
庭木・花木
育てやすさ
やさしい
日当たり
日なた〜半日陰。多少の日陰でも育つ
水やり
根づけば雨まかせ。植えて間もない時期と真夏は乾いたらたっぷり
耐えられる寒さ
おおむね-5℃前後まで(若木は寒風に注意)
大きさの目安
刈り込みで1〜3m、放任で5m以上
原産地
日本(関東以西)・中国南部
出回り時期
3〜6月・9〜11月

気をつけたいこと
種子まわりの果托は赤く色づき甘く見えますが、種子の部分には有毒成分があり、口にしないよう子どもやペットには注意してください。

マキってどんな木

マキは日本や中国南部に自生する常緑の針葉樹で、庭木としては「イヌマキ」と、その変種で葉が短く密につく「ラカンマキ」が広く出回っています。細長い葉がびっしりと重なり、濃い緑がずっしりとした存在感を出してくれる木です。生垣や庭のシンボル、玉散らしの仕立てなど、和風の庭で古くから使われてきました。

刈り込みにとても強く、切り戻せば新芽をよく吹くので、形をコントロールしやすいのが魅力です。潮風や大気汚染にも比較的耐え、少々の日陰でもしっかり育つため、扱いやすい庭木のひとつと言えます。ゆっくり育つぶん、狙った形を長く保ちやすいのもいいところです。

置き場所

日なたから半日陰まで幅広く適応します。日当たりが良いほど葉がよく茂り、枝も締まりますが、建物の北側や少し日陰になる場所でも枯れずに育つのがマキの強みです。山陰は冬の日照が乏しいですが、マキは常緑針葉樹で光要求がそこまで高くないため、他の花木ほど日照不足に神経質にならなくても大丈夫なことが多いです。

耐寒性はおおむね-5℃前後まであり、松江の平地であれば地植えで冬越しできます。ただし植えて間もない若木は、山陰の冷たい季節風に葉が傷むことがあります。北風が強く当たる場所では、最初の一、二冬だけでも風よけを立てておくと安心です。

水やり

地植えで根づいてしまえば、基本は雨まかせで問題ありません。植えつけて最初の一年ほどは根がまだ張っていないので、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えてください。特に夏の高温期に晴天が続くときは、朝か夕方の涼しい時間に水やりをしておくと安心です。

鉢植えの場合は乾きやすいので、土の表面が乾いたらしっかり与えます。山陰の梅雨や秋の長雨の時期は、鉢底に水が溜まり続けると根が傷むことがあるので、受け皿の水は捨てて水はけを保ってください。マキは比較的乾湿の変化に強い木ですが、極端な過湿が続くのは苦手です。

刈り込みと仕立て

マキを育てるうえでいちばん楽しく、そして差が出るのが刈り込みです。新芽が伸びる初夏(6月ごろ)と、秋(9〜10月ごろ)の年二回を目安に整えると形が保ちやすくなります。刈り込みに強いので、多少思い切って切っても新芽を吹き返してくれることが多いです。

ただし真夏の炎天下や真冬の刈り込みは、切り口や新芽が傷みやすいので避けたほうが無難です。ラカンマキは葉が短く密なので玉仕立てや細かい形に向き、イヌマキは葉が長めで生垣や大きな仕立てに向く、と覚えておくと選びやすいと思います。

つまずきやすいところ

マキで相談が多いのが「葉が黄色っぽくなる・すすけたように黒くなる」というものです。原因のひとつがキオビエダシャクという蛾の幼虫の食害で、近年は暖地を中心に広がっています。葉を食べられて丸坊主になることもあるので、葉が急に減ってきたら虫がついていないか枝の内側までよく見てください。

もうひとつが、風通しの悪い場所や過湿で発生するカイガラムシと、そこから来るすす病です。葉の表面が黒くベタつくときは、まず込み合った枝を透いて風の通りをよくしてあげるのが効果的です。刈り込みで内部が蒸れると病害虫が出やすくなるので、こまめに手を入れておくことが結局いちばんの予防になります。すべての株が同じように育つわけではありませんが、こうした点に気を配ると失敗が減ります。

実と季節の楽しみ

秋になると、赤やピンクに色づいた丸い果托の上に緑の種子がのった、独特の実をつけることがあります。この赤い部分は甘みがありますが、種子側には有毒成分があると言われているので、子どもやペットが口にしないよう気をつけてください。雌雄があるため、実がつく年もあればつかない年もあり、環境によっても変わります。

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