ラベンダー
Lavender / Lavandula spp.
別名・品種: アボンビュー、ラバンディン、イングリッシュラベンダー、フレンチラベンダー、デンタータ、ストエカス、レースラベンダー
清涼感ある香りが魅力のハーブ。乾燥した風通しのよい環境を好み、山陰では夏の高温多湿が一番の関門。品種選びと蒸れ対策がうまく育てる鍵になります。
- カテゴリ
- ハーブ
- 育てやすさ
- ふつう
- 日当たり
- 一年を通してよく日の当たる屋外
- 水やり
- 表土が乾いてから。過湿を嫌うので乾かし気味に
- 耐えられる寒さ
- 系統により異なる(イングリッシュ系は-10℃程度まで、フレンチ系は0℃前後まで)
- 大きさの目安
- 30cm〜1m程度(品種による)
- 原産地
- 地中海沿岸
- 出回り時期
- 3〜5月・9〜11月
ラベンダーってどんな植物
紫の花穂とすっきりした香りでおなじみのシソ科の常緑低木です。地中海沿岸のような、乾燥して風通しのよい環境が本来の住まい。だから「水が好き」「湿った土が好き」という多くの草花とは、育て方の感覚が少し違います。
ひとくちにラベンダーと言っても系統がいくつかあり、育てやすさが変わります。北海道のような冷涼地でよく育つのが香りの強いイングリッシュ系(アングスティフォリア)。イングリッシュ系とスパイクラベンダーの交配種であるラバンディン系(アボンビューなど)は、暑さにやや強く丈夫で、初めての方にも向きやすい系統です。うさぎの耳のような苞が可愛いフレンチ系(ストエカス)は花期が長く春に楽しめますが、寒さはやや苦手。まず品種の性格を知っておくと、失敗が減ります。
山陰で育てるときの一番の関門は夏
松江をはじめ山陰で育てるとき、正直に言うと最大の難所は冬ではなく夏です。ラベンダーは高温多湿にとても弱く、梅雨から真夏にかけての蒸れで株が傷み、そのまま枯れ込んでしまうことがよくあります。特に香りの強いイングリッシュ系は暑さが苦手なので、山陰の平地では夏越しが難しい場合があります。
対策の中心は「蒸らさない」こと。花が終わったら早めに切り戻して株の内部に風を通し、梅雨前には込み合った枝を間引いておきます。鉢植えなら夏は雨の当たりにくい半日陰の風通しのよい場所に移すと、ぐっと楽になります。地植えの場合は水はけを最優先に、盛り土して高い位置に植えると蒸れにくくなります。
置き場所と水やり
一年を通して、よく日の当たる屋外が基本です。日照が足りないと花つきが悪くなり、株もひょろっと弱くなります。冬の山陰は日照が少なく曇天が続きますが、それでもできるだけ明るい場所に置いてください。
水やりは乾かし気味が基本です。表土が乾いてから、鉢底から流れるくらいたっぷりと。受け皿に水を溜めっぱなしにすると根腐れの原因になります。地植えで根づいたあとは、雨だけでほぼまかなえることも多いです。むしろ「かわいそうだから」とこまめに水をやりすぎて根を傷めるケースが目立ちます。土は水はけ最優先で、市販のハーブ用土や、培養土に軽石・パーライトを混ぜたものがおすすめです。
花が咲かない・木質化してきたとき
「葉は茂るのに花が少ない」というときは、日照不足か、肥料の窒素分が多すぎることが多いです。ラベンダーは肥料をあまり必要とせず、与えすぎると葉ばかり茂って花が減る傾向があります。
もうひとつよくあるのが、年数が経って株元が木のように硬くなり(木質化)、下のほうがスカスカになってしまう悩み。ラベンダーは古い硬い枝からは新芽が出にくいので、放っておくと形が乱れます。花後や春先に、緑の葉が残っている位置で軽く切り戻して、こんもりした姿を保つのがコツです。ただし葉のない古枝まで一気に切り込むと枯れ込むことがあるので、少しずつ様子を見ながら行ってください。
冬の管理と寒さ
多くのラベンダーは寒さそのものには比較的強く、イングリッシュ系やラバンディン系は山陰の冬なら屋外で越せることが多いです。むしろ冬に注意したいのは、日照不足のなかで水をやりすぎて過湿になること。冬は生育がゆるやかなので、水やりは控えめにします。
フレンチ系は寒さにやや弱いので、厳寒期に葉が傷むようなら軒下に寄せたり、鉢を移動できるようにしておくと安心です。系統によって性格が違うので、お手持ちの品種がどのタイプかを確かめておくと、季節ごとの手入れがぐっとわかりやすくなります。