ジューンベリー
Juneberry / Amelanchier canadensis
別名・品種: ジューンベリー、アメランキア、アメランチェ、セイヨウザイフリボク、ロビンヒル、バレリーナ、オータムブリリアンス
春に白い花、初夏に赤い実、秋の紅葉と一年を通して楽しめる人気の落葉樹。育てやすく、山陰の気候にもよくなじむシンボルツリー向きの一本です。
- カテゴリ
- 庭木・花木
- 育てやすさ
- やさしい
- 日当たり
- 日なた〜半日陰。よく日が当たると実つきが良い
- 水やり
- 根づくまでは乾いたらたっぷり。以降は基本降雨で足りる
- 耐えられる寒さ
- -20℃程度まで(耐寒性は強い)
- 大きさの目安
- 2〜4m程度(剪定で調整可能)
- 原産地
- 北アメリカ・ヨーロッパ
- 出回り時期
- 2〜3月・10〜12月
気をつけたいこと
実は食用で無毒。特別な毒性はありません。ただし完熟前の実や大量摂取は消化不良の原因になることがあります
どんな木か
ジューンベリーは、春に桜に似た白い花を咲かせ、6月ごろに甘い赤〜黒紫の実をつけ、秋には赤く紅葉する落葉樹です。名前のとおり「6月に実がなる」のが由来で、花・実・紅葉と季節ごとに表情が変わるので、シンボルツリーとして選ばれることが多い木です。
実はそのまま食べられ、ジャムやお菓子にも向きます。トゲもなく、成長もそこまで暴れないので、庭木の中では扱いやすい部類に入ります。山陰のようにはっきり四季のある土地では、季節の移ろいを一本で感じられる木として相性が良いと思います。
植え場所
できれば日当たりの良い場所に植えてください。花や実つきは日照に素直に反応するので、日陰では花が少なくなったり実がまばらになったりします。半日陰でも育ちますが、実を楽しみたいなら午前中しっかり日が当たる場所がおすすめです。
松江あたりの冬は曇りや雨の日が続いて日照が不足しがちですが、ジューンベリーは落葉樹なので冬は葉を落として休眠します。冬の日照不足はあまり気にしなくて大丈夫です。むしろ気をつけたいのは水はけ。山陰は年間を通して降水量が多く、粘土質で水がたまりやすい場所だと根が傷みやすくなります。植える前に腐葉土や堆肥を混ぜて、水はけを整えておくと安心です。
水やり
植えつけてから根が張るまでの1年目は、土の表面が乾いたらたっぷり与えてください。特に夏場は乾きに注意します。根づいてしまえば地植えの場合、基本は雨まかせで十分育ちます。山陰は雨が多いので、真夏の日照りが続くとき以外はあまり水やりを気にする必要はありません。
鉢植えで育てている場合は乾きやすいので、夏はこまめに確認してください。逆に、鉢の受け皿に水をためたままにすると根腐れの原因になります。多湿の土地なので、水のやりすぎより「たまり水」に注意する感覚で見てあげてください。
実がならない・実が食べられない、というつまずき
ジューンベリーで一番多い相談が「花は咲くのに実が落ちてしまう」「実がならない」というものです。原因はいくつかあります。まず日照不足。日陰ぎみだと花数も実つきも落ちます。次に若木のうちはまだ実つきが安定しないこと。植えて数年は様子見だと思ってください。
もう一つ、山陰の6月は梅雨と実の成熟が重なります。せっかく色づいてきた実が、雨続きで割れたり傷んだりすることがあります。これは気候的にどうしても起きやすいので、完全には防げません。気になる場合は鉢植えにして雨の当たりにくい軒下に移すという手もあります。
そして忘れがちなのが鳥。実が甘いので、色づくと鳥に先に食べられてしまうことがよくあります。収穫を楽しみたいなら、色づき始めたらネットをかけておくと取り分を確保しやすくなります。
剪定と夏の蒸れ
剪定は落葉している冬(12〜2月ごろ)が基本です。混み合った枝や内側に伸びる枝を間引いて、風と光が通るようにしておくと、夏の蒸れによる病気を減らせます。山陰の夏は高温多湿で枝葉が茂りすぎると内部が蒸れやすいので、透かすように切るのがコツです。強く切りすぎると翌年の花芽まで落としてしまうことがあるので、少しずつ様子を見ながら整えてください。
品種による違い
流通しているものにはいくつか系統があります。株立ちで自然な樹形になるカナデンシス系、直立ぎみで狭い場所に向く「バレリーナ」、比較的コンパクトにまとまる「ロビンヒル」、紅葉がきれいな「オータムブリリアンス」などがあります。呼び名は違っても基本的な育て方はほぼ同じで、日当たり・水はけを整えることが共通のポイントです。庭のスペースや、株立ちにしたいか一本立ちにしたいかで選ぶとよいと思います。
丈夫で初心者にも扱いやすい木ですが、環境によって実つきや紅葉の色は変わります。うまくいかない年もあると受け止めつつ、長く付き合っていける一本です。