アスプレニウム
Bird's Nest Fern / Asplenium nidus
別名・品種: タニワタリ、オオタニワタリ、アビス、レズリー、アスプレニウム・ニダス
つやのある明るい緑の葉が、鳥の巣のようにロゼット状に広がるシダの仲間。日陰に強く、乾燥にも比較的耐えるので、置き場所を選ばず育てやすい観葉植物です。
- カテゴリ
- 観葉植物
- 育てやすさ
- やさしい
- 日当たり
- 明るい日陰〜レースカーテン越しの光
- 水やり
- 表土が乾きかけたらたっぷり。冬は控えめに
- 耐えられる寒さ
- 5℃以上(冬は室内へ)
- 大きさの目安
- 卓上サイズ〜60cm程度
- 原産地
- 東南アジア〜日本南部の亜熱帯
- 出回り時期
- 3〜10月
どんな植物か
アスプレニウムは、株の中心から葉が放射状に立ち上がり、鳥の巣のような形をつくるシダの仲間です。日本でも南の島に自生する「オオタニワタリ」の仲間で、古くから「タニワタリ」と呼ばれてきました。つやのある明るい緑の葉が波打つように広がり、一枚でもよく目立ちます。
シダというと繊細で難しそうな印象がありますが、アスプレニウムは葉に厚みがあって乾燥にもある程度耐えるため、シダの中ではかなり育てやすい部類です。はじめて観葉植物を置く方にも扱いやすいと思います。
置き場所
もともと森の中で、木の幹や岩に着生して暮らしている植物です。強い直射日光は苦手で、当てすぎると葉が黄色く色あせたり、ふちが茶色く傷んだりします。レースのカーテン越しの光や、明るい日陰くらいがちょうどいい環境です。
山陰の冬は日照が少なく、どうしても室内が暗くなりがちですが、アスプレニウムは耐陰性が高いので、比較的暗い場所でも枯れにくいのが助かります。ただしまったく光の届かない奥まった場所だと、新しい葉が細く弱く育ってしまうことがあります。できれば窓のそばに置いてあげてください。
寒さには弱めで、目安は5℃以上。松江の冬は屋外では越せないので、必ず室内に取り込みます。暖房の温風が直接当たると葉が一気に乾いて傷むので、風向きには気をつけてください。
水やり
春から秋の生育期は、土の表面が乾きかけたらたっぷり与えます。もともと湿り気のある環境を好むので、乾かしすぎると葉のふちがチリチリになりやすい植物です。とはいえ鉢の中がずっとびしょ濡れだと根が傷むので、受け皿にたまった水はこまめに捨ててください。
冬は生育がゆるやかになるので、水やりの回数を減らして、土がしっかり乾いてから与える程度に切り替えます。山陰の冬は室内でも湿度が高く乾きにくいので、他の地域の感覚で水をやると多すぎることがあります。土の乾き具合を指で確かめてから判断すると安心です。
乾燥する季節は、葉に霧吹きで水をかける「葉水」をすると調子がよくなることが多いです。ハダニの予防にもなります。
中心にたまった水と、株元の蒸れ
アスプレニウムに特有の注意点が、葉の付け根が集まる「中心のくぼみ」です。鳥の巣のような形なので、ここに水やほこりがたまりやすい構造になっています。自生地では雨や落ち葉を受け止める大事な部分ですが、室内の風通しの悪い場所では、たまった水が抜けずに蒸れて、中心から傷んでくることがあります。
特に山陰の夏は高温多湿で、室内でも空気がこもりがちです。中心にいつまでも水が残っているようなら、鉢を少し傾けて抜くか、株元に水を注ぎすぎないようにするとよいでしょう。新しい葉は必ず中心から出てくるので、ここが健康だと株全体が元気に育ちます。
また、株元がずっと湿っていると、根元がやわらかくぶよぶよになることがあります。これは蒸れのサインなので、風通しをよくして、水を控えめにしてあげてください。
品種による違い
流通しているものにはいくつか名前があります。もっとも一般的なのが「アビス」で、波打つ幅広の葉が特徴です。「レズリー」は葉先が細かく分かれて縮れるタイプで、フリルのような見た目が人気です。「オオタニワタリ」はより大きく育ち、葉がまっすぐ伸びる印象があります。
葉の形や大きさは違いますが、日陰に強く乾燥にほどほど耐えるという基本的な性質はどれもよく似ています。育て方はほぼ同じと考えて差し支えありません。置き場所の大きさや好みの葉姿で選んでいただければと思います。
枯れる前に気づきたいサイン
葉のふちが茶色く乾く場合は、空気の乾燥や水切れ、または直射日光が原因のことが多いです。全体が黄色っぽくのっぺりしてきたら光の当てすぎ、逆に新しい葉が細く色が薄いなら光不足を疑ってみてください。
中心が黒ずんでやわらかくなってきたら、蒸れによる傷みが進んでいることがあります。この場合は水を控え、風通しのよい場所へ移してしばらく様子を見ます。環境が合えば持ち直すこともありますが、必ず回復するとは限らないので、早めに気づいてあげるのが一番です。