どんな植物か

アロカシアは東南アジアを中心に分布する熱帯性の植物で、矢じりのような形の葉と、そこに白く浮き上がる葉脈のコントラストが特徴です。ひとくちにアロカシアと言ってもかなり幅が広く、葉に光沢のある小型の「アマゾニカ」や、より小ぶりでコンパクトな「バンビーノ・アロー」、そして日本で古くから親しまれている「クワズイモ」も同じ仲間です。太い塊茎(かいけい)から葉を立ち上げる姿はエキゾチックで、一鉢あるだけで部屋の雰囲気ががらりと変わります。

観葉植物としては見た目の派手さのわりに扱いにくすぎるということはありませんが、「熱帯生まれ」という素性をどれだけ意識できるかで、山陰での育ちやすさがだいぶ変わってきます。

置き場所

直射日光は葉焼けの原因になりやすいので、レースカーテン越しの明るい光か、明るい日陰が向いています。ただし暗すぎると葉柄がひょろひょろ伸びて葉が小さくなり、間延びした姿になりがちです。

山陰でいちばん気をつけたいのが冬です。松江の冬は曇りや雨の日が続き、日照が全国平均よりかなり少なくなります。アロカシアは光が足りないと元気を失いやすいので、冬こそ一年でいちばん明るい窓辺に寄せてあげてください。とはいえ窓際は夜間に冷え込むため、夜は窓から少し離すか、レースカーテンの内側に入れるなどして寒さ対策も合わせて行うと安心です。

水やり

春から秋の生育期は、土の表面がしっかり乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷり与えます。塊茎に水分をためる性質があるので、常に湿った状態が続くと根腐れしやすい植物です。受け皿にたまった水はこまめに捨ててください。

山陰の夏は高温多湿になりやすく、風通しの悪い場所だと蒸れて傷みやすくなります。土がなかなか乾かないと感じたら、水やりの回数より置き場所の風通しを見直すほうが効くことが多いです。

冬は生育が鈍るので水やりを大きく控えます。寒い時期に土が湿ったままだと一気に弱ることがあるので、乾いてから数日おいてやる、くらいの気持ちでちょうどいいことが多いです。

冬越しと休眠のつまずき

アロカシアで戸惑いやすいのが、冬に葉を落として一見枯れたように見えることです。特に室温が下がると、地上部の葉がどんどん減っていくことがあります。これは環境によっては休眠に近い状態に入っているだけで、塊茎が生きていれば春に暖かくなってから再び芽を出すことも少なくありません。

この時期に「枯れた」と思って水を与えすぎてしまうと、かえって塊茎を腐らせてしまうことがあります。葉が減ってきたら水をぐっと控え、10℃を下回らない暖かい室内で春を待つのがひとつの目安です。ただし冷え込みが強すぎたり過湿が重なったりすると復活しないこともあり、必ず芽吹くと約束できるものではありません。山陰の冬は室内でも思った以上に冷えるので、暖房のない廊下や玄関に置きっぱなしにしないよう気をつけてください。

葉が傷む・元気がないとき

葉先が茶色くなるのは、空気の乾燥や水切れ、あるいは冬の低温が原因のことが多いです。エアコンの風が直接当たる場所も乾燥で傷みやすいので避けましょう。生育期であれば、時々霧吹きで葉水を与えると調子がよくなることがあります。

新しい葉が小さかったり色が薄かったりする場合は、光不足を疑ってみてください。逆に葉に白っぽい斑点やベタつきが出たときはハダニやカイガラムシの可能性があるので、葉の裏をチェックしてみるとよいです。

品種による違い

流通名は色々ありますが、育て方の基本はどれもほぼ共通です。「アマゾニカ」は濃緑の葉に白い葉脈が映える定番タイプ、「バンビーノ・アロー」はより小型でコンパクトに楽しめるタイプとして人気があります。「クワズイモ」は太い幹立ちになる大型のイメージで、日本の環境にも比較的なじみやすい印象です。葉色や大きさ、寒さへの粘り強さに多少の差はありますが、どれも「明るい日陰・過湿を避ける・冬は暖かく」という基本を押さえておけば、山陰でも付き合っていける植物です。