タイム
Thyme / Thymus vulgaris
別名・品種: コモンタイム、タチジャコウソウ、クリーピングタイム、レモンタイム、ゴールデンタイム
料理に使えて香りも楽しめる、地中海生まれの小さなハーブ。乾燥と日向を好み丈夫ですが、山陰の梅雨と夏の蒸れだけは苦手。風通しを意識すると長く付き合えます。
- カテゴリ
- ハーブ
- 育てやすさ
- やさしい
- 日当たり
- 日当たりと風通しのよい屋外
- 水やり
- 表土が乾いてから。過湿は苦手なので控えめに
- 耐えられる寒さ
- -10℃前後まで(地域差あり)
- 大きさの目安
- 高さ10〜30cm、横に広がる
- 原産地
- 地中海沿岸
- 出回り時期
- 3〜6月・9〜10月
気をつけたいこと
食用にする場合は農薬の使用に注意。妊娠中は多量摂取を控えるという説もあります
どんなハーブか
タイムは地中海沿岸生まれの常緑性のハーブで、料理の香りづけでおなじみです。小さな葉が密につき、初夏には白やピンクの小花を咲かせます。立ち上がって茂る「コモンタイム」系と、地面を這うように広がる「クリーピングタイム」系に大きく分かれ、後者はグラウンドカバーにもよく使われます。共通しているのは、乾燥した痩せた土地でこそ元気になるという性質です。肥料をたっぷり与える必要もなく、放っておいても育つ強さがあります。
ただし、丈夫なハーブというイメージがある一方で、山陰の気候では意外なところでつまずくことがあります。とくに湿気には敏感なので、その点を押さえておくと失敗が減ります。
置き場所
日当たりと風通しのよい屋外が基本です。日照が足りないと茎がひょろひょろ伸びて香りも薄くなりがちなので、できるだけよく日が当たる場所を選んでください。鉢植えなら、コンクリートやレンガの上など、地面の湿気が伝わりにくい場所に置くと調子が保ちやすい傾向があります。
松江をふくむ山陰は冬の曇天が続き、日照が不足しがちです。屋外で越冬できる耐寒性はありますが、日が乏しい冬場は生育がほぼ止まると考えてください。この時期に無理に伸ばそうとするより、春を待つくらいの気持ちで見守るとよいです。室内に取り込む場合も、できるだけ明るい窓辺に置いてあげてください。
水やり
タイムは乾燥を好むので、水やりは控えめが安全です。鉢植えなら土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から流れるくらいたっぷり与え、その後はまた乾くまで待ちます。常に湿った状態が続くと根が傷みやすく、これが枯れる大きな原因になります。
地植えの場合は、根づいてしまえば基本的に雨だけで足りることが多いです。むしろ与えすぎに注意してください。受け皿に水を溜めっぱなしにするのも避けたいところです。
山陰でいちばんの難所は梅雨と夏の蒸れ
タイムを山陰で育てるうえで、最大のつまずきは冬の寒さではなく、梅雨から夏にかけての高温多湿です。株が密に茂ったまま蒸れると、内側から茶色く枯れ込み、そこから一気に傷んでしまうことがあります。せっかく大きく育った株が、夏を越せずに調子を崩すのはよくある話です。
対策として、梅雨に入る前に思いきって切り戻しをおすすめします。株全体を半分ほどの高さに刈り込むと風が通り、蒸れにくくなります。切った枝は料理に使えるので一石二鳥です。混み合った枝を間引くように整理してあげるだけでも効果があります。鉢植えなら、梅雨の長雨のあいだは軒下など雨の当たりにくい場所に移すのも有効です。
それでも夏に一部が枯れ込むことはあります。全滅していなければ、涼しくなってから新芽が吹き直すことも多いので、あわてて処分せず様子を見てください。
品種による違い
タイムにはたくさんの種類があります。料理に使うなら香りの強い「コモンタイム」、レモンのような爽やかな香りが楽しめる「レモンタイム」、黄色い斑が入って見た目も明るい「ゴールデンタイム」などが親しまれています。地面を覆う使い方をしたいなら這うタイプの「クリーピングタイム」が向いています。
育て方はどの品種もほぼ共通で、日向と乾燥を好み、蒸れに弱いという性質は変わりません。耐寒性や葉色に多少の差はありますが、まずは基本の管理を押さえておけば、どれを選んでも大きくは外しません。
増やし方と長く付き合うコツ
何年か育てていると、株の中心が木のように硬くなり、そこから葉が出にくくなってくることがあります。これは寿命というより、株が古くなったサインです。挿し木で若い株を作っておくと、更新しながら長く楽しめます。春や秋に元気な枝を数センチ切って、湿らせた土に挿しておくと根づくことが多いです。
こまめに収穫して使うこと自体が、風通しをよくして株を若く保つことにつながります。香りを楽しみながら手を入れていくと、自然と調子が整っていくハーブです。