多肉植物
Succulents / Succulent plants
別名・品種: エケベリア、セダム、グラプトペタルム、ハオルチア、カランコエ、センペルビウム、多肉、たにく
ぷっくりした葉に水を蓄える乾燥地の植物。日光と乾き気味の管理を好み、山陰の冬の日照不足と夏の多湿が育て方のポイントになります。
- カテゴリ
- 多肉植物・サボテン
- 育てやすさ
- ふつう
- 日当たり
- よく日の当たる明るい場所を好む
- 水やり
- 土が完全に乾いてからたっぷり。控えめが基本
- 耐えられる寒さ
- 種類により差。目安3〜5℃以上
- 大きさの目安
- 数cmの寄せ植え向き〜大株までさまざま
- 原産地
- 南アフリカ・メキシコ・中南米など乾燥地
- 出回り時期
- 通年
気をつけたいこと
カランコエなど一部は樹液や成分がペットに有害とされます。犬猫が口にしないよう置き場所に注意してください。
多肉植物ってどんな植物
多肉植物は、葉や茎、根に水を蓄えて乾燥に耐えるようにできた植物の総称です。エケベリア、セダム、グラプトペタルム、ハオルチア、カランコエなど、見た目も性質もかなり幅があります。共通しているのは「もともと雨が少なく日差しの強い場所の出身」ということ。ここを押さえておくと、置き場所も水やりも自然と決まってきます。
よく「水やりがいらない植物」と思われがちですが、正確には「乾く時間が必要な植物」です。放っておいても平気なのではなく、乾いたら水をやる、というリズムがある植物だと考えてください。
置き場所 ― 光が足りるかどうかが最初の分かれ道
多肉植物はとにかく光を好みます。理想は屋外の日なた、室内なら南〜東向きの窓辺で、できるだけ長く日が当たる場所です。光が足りないと、後述する徒長(間のびした姿)になりやすく、葉の色つやも悪くなります。
山陰でいちばん気をつけたいのが冬の日照です。松江の冬は曇りや雨、雪の日が続き、日射量が全国でも少ない地域です。この時期に室内の奥に置くと、あっという間に光不足になります。冬こそ窓ぎわのいちばん明るい場所を確保してあげてください。ただし窓辺は夜間に冷え込むので、寒さに弱い種類は夜だけ少し内側へ移すと安心です。
夏は逆に、真夏の直射と締め切った室内の熱がこもると弱ります。屋外なら真夏だけ半日陰や明るい日陰へ、室内ならレースカーテン越し+風通しを意識してください。
水やり ― 「乾いてから、たっぷり」が基本
水やりは、土が中まで完全に乾いてから、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えるのが基本です。少量をちょこちょこやるより、乾湿のメリハリをつけたほうが根が丈夫になります。
多くの多肉は春と秋によく育ち、真夏と真冬は生育がゆるやかになります。生育がゆるむ時期は水を大きく控えめにします。特に冬は、寒さで根が水を吸えないところに水が残ると傷みの原因になるので、月に1〜2回ごく少なめ、もしくはほぼ断水気味で越冬させる種類も多いです。
山陰で注意したいのは、夏の高温多湿と冬の多湿です。梅雨から夏にかけては、湿った空気の中で水が抜けきらず蒸れて根腐れしやすい季節です。この時期は水やりを控え、なにより風通しを優先してください。扇風機やサーキュレーターで空気を動かすだけでも失敗が減ります。
つまずきやすいところ1 ― 徒長(間のびする)
多肉のいちばん多い相談が「買ったときはぎゅっとしていたのに、だんだん背が伸びて葉と葉のすきまが空いてきた」というものです。これが徒長で、原因のほとんどは光不足です。山陰の冬は日照が少ないので、暖かい室内に置いていても知らないうちに光が足りず、ひょろっと伸びてしまうことがよくあります。
一度伸びた茎は元の詰まった姿には戻りません。ただ、伸びすぎた頭の部分を切って乾かし、土に挿す「仕立て直し」ができる種類が多いので、伸びてしまっても仕立て直して楽しめます。予防としては、とにかく明るい場所を確保することに尽きます。
つまずきやすいところ2 ― 蒸れと根腐れ、下葉のトラブル
もうひとつ多いのが、株元がぶよぶよになったり、葉がぽろぽろ落ちたりするケースです。下のほうの古い葉が数枚枯れて落ちるのは自然な新陳代謝のことも多いのですが、株全体が透けたように柔らかくなってきたら、水のやりすぎか蒸れによる根腐れを疑ってください。
特に受け皿に水をためたまま、風の通らない場所に置くのは避けたい組み合わせです。土は水はけのよい多肉・サボテン用の用土が扱いやすく、鉢も通気のよいものが向いています。うまくいかない時期があっても、置き場所と水の量を見直せば持ち直すことは珍しくありません。
種類による違いを少しだけ
ひとくちに多肉といっても性質はさまざまです。エケベリアはロゼット状の姿が美しく、日光でよく発色します。セダムやグラプトペタルムは小ぶりで殖えやすく寄せ植え向き。ハオルチアは強い直射より明るい日陰を好み、葉が透ける品種は柔らかな光で映えます。センペルビウムは寒さに比較的強い一方、カランコエなど熱帯出身のものは寒さに弱く冬は室内が安心です。
寒さの目安は種類でかなり変わるので、手元の株がどの仲間かをまず確認するのがおすすめです。山陰の冬を越すなら、寒さに弱い種類は室内、強い種類でも霜や凍結は避ける、と覚えておくとよいでしょう。