多肉植物・サボテン育てやすさ: ふつう

センペルビウム

Houseleek / Sempervivum tectorum

別名・品種: センペルビブム、巻絹(クモノスバンダイソウ)、マキギヌ、バンダイソウ、ハウスリーク

ロゼット状の葉が幾何学的に重なる、寒さに強い多肉植物。子株を出して群れになる姿が魅力です。暑さと蒸れが苦手なので、山陰の夏は風通しよく管理するのが長く付き合うコツです。

カテゴリ
多肉植物・サボテン
育てやすさ
ふつう
日当たり
よく日の当たる屋外。半日以上の日照が理想
水やり
土がしっかり乾いてから。冬と真夏は控えめに
耐えられる寒さ
氷点下にも耐える品種が多い(-10℃前後まで)
大きさの目安
1株3〜10cm、群生して広がる
原産地
ヨーロッパ・コーカサスの山岳地帯
出回り時期
3〜5月・9〜11月

どんな植物か

センペルビウムは、ロゼット状に葉を重ねる姿が美しい多肉植物です。ヨーロッパの山岳地帯が原産で、名前はラテン語で「常に生きている」という意味。その名の通り寒さにとても強く、多肉植物の中では珍しく屋外でしっかり冬を越せる仲間です。

親株のまわりからランナーを伸ばして子株を次々に出し、放っておくと鉢いっぱいに群れになって広がります。この増える楽しさが、センペルビウムを長く育てる大きな魅力です。

一方で、原産地が涼しい山岳地帯ということもあり、高温多湿はどちらかというと苦手。山陰で育てるうえでは、この点を意識できるかどうかで調子がずいぶん変わってきます。

置き場所

基本は屋外の、よく日の当たる場所です。日照が足りないと葉の色がぼやけ、ロゼットが間延びして締まりのない姿になります。春と秋はできるだけたっぷり日に当ててください。

山陰の冬は日照時間が短く、どんよりした曇りや雨、雪の日が続きます。センペルビウム自体は寒さに強く、屋外で霜や雪に当たっても枯れないことが多いのですが、日照不足で紅葉が乗りにくかったり、生育がゆっくりになったりします。冬の間はなるべく明るい南側の軒下などに置いてあげると安心です。

問題はむしろ夏です。梅雨から真夏にかけての高温多湿は、センペルビウムがいちばん弱る時期。直射日光の照り返しと蒸れが重なると、株元から溶けるように傷むことがあります。夏場は半日陰の風通しのよい場所に移すか、雨の当たらない棚の上などで管理すると生き延びやすくなります。

水やり

多肉植物なので、水は控えめが基本です。土がしっかり乾いてから、鉢底から流れるくらいたっぷり与え、また乾かす。このメリハリを守ってください。

春と秋の生育期は、乾いたら水やりというリズムで問題ありません。ただし夏は要注意です。蒸れが天敵なので、真夏は水やりの回数を減らし、涼しい夕方以降に与えるようにします。梅雨時に雨ざらしにすると根腐れの原因になりやすいので、長雨のときは軒下に避難させると安心です。

冬も生育がゆるやかになるため、水は控えめに。乾かし気味のほうが寒さにも耐えやすくなります。

山陰で気をつけたい「夏越し」

センペルビウムで最初につまずきやすいのが、この夏越しです。冬は平気で越したのに、夏に一気に株がとろけて消えてしまった、という声は珍しくありません。

山陰の夏は気温だけでなく湿度も高く、夜になっても気温が下がりきらない日が続きます。センペルビウムにとってはかなり過酷な環境です。対策としては、風通しをとにかく最優先にすること。鉢を地面に直接置かず棚に上げる、株が密集しすぎたら植え替えて間隔をあける、水は乾かし気味にする、といった工夫が効いてきます。

それでも全部の株が無事に夏を越せるとは限りません。うまくいかないこともある前提で、子株をあらかじめ増やしておくと、万一親株が傷んでも群れを絶やさずに済みます。

品種による違い

センペルビウムには非常に多くの品種があり、葉色や大きさ、毛の有無などが違います。育て方はどれもほぼ共通なので、好みで選んで大丈夫です。

たとえば「巻絹(クモノスバンダイソウ)」はロゼットの先が白い糸で覆われ、クモの巣をかけたような独特の姿。赤や紫に色づくタイプ、緑が濃いタイプ、小型でびっしり群れるタイプなどさまざまです。秋から冬の寒さと日照で赤みが強くなる品種が多く、季節ごとの表情の変化も楽しめます。ただし、日照や気温の条件によって発色は変わるので、写真と同じ色にならないこともあります。

増やし方

子株が育ったら、親株から切り離して植え付けると簡単に増やせます。切り離した子株は切り口を数日乾かしてから土に置くと、根が出て定着しやすくなります。

花が咲いた親株はその後枯れてしまう性質(一回結実性)がありますが、周りに子株が残っていれば群れは続いていきます。増えたぶんを寄せ植えにしたり、浅鉢に敷き詰めたりと、飾り方でも楽しめる植物です。

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