イロハモミジ
Japanese Maple / Acer palmatum
別名・品種: イロハカエデ、タカオモミジ、ヤマモミジ、オオモミジ、ノムラモミジ、デショウジョウ
日本の秋を代表する紅葉樹。細かく切れ込んだ葉が春の芽出しから紅葉まで表情を変えます。山陰の庭でも育てやすく、鉢や盆栽でも楽しめる定番のモミジです。
- カテゴリ
- 庭木・花木
- 育てやすさ
- ふつう
- 日当たり
- 半日陰〜日向。西日は避けたい
- 水やり
- 植え付け後は乾いたらたっぷり。夏は朝夕チェック
- 耐えられる寒さ
- -15℃程度まで(落葉して越冬)
- 大きさの目安
- 庭木で3〜10m、鉢仕立てや盆栽なら卓上サイズ
- 原産地
- 日本・朝鮮半島・中国
- 出回り時期
- 2〜4月・10〜12月
イロハモミジってどんな木
手のひらを広げたような葉に、5〜7つの深い切れ込みが入るのがイロハモミジです。名前は、この切れ込みを「いろはにほへと」と数えたことに由来すると言われています。春の芽出しは黄緑や赤みを帯び、夏は涼やかな緑、そして秋には赤やオレンジへと染まっていく——一本で四季を感じられるのが最大の魅力です。
流通しているものには、緑葉のイロハモミジのほか、春から赤いノムラモミジ、芽出しが鮮やかな赤のデショウジョウ、やや大ぶりのオオモミジやヤマモミジなどがあります。葉色や大きさに違いはありますが、基本的な育て方はどれもよく似ています。庭のシンボルツリーにする方もいれば、鉢や盆栽で小さく楽しむ方もいて、暮らしに合わせて仕立てられる木です。
置き場所
日向でも半日陰でも育ちますが、山陰の夏を考えると午前中に日が当たり、午後は明るい日陰になるくらいの場所が扱いやすいです。強い西日が当たり続けると、葉の縁が茶色く縮れる「葉焼け」が起きやすくなります。特に鉢植えは地面より高温になりやすいので、真夏は鉢を東側に移すなど工夫すると安心です。
地植えする場合は、建物の東や北東の角、他の木の陰になる場所などが向いています。日照が極端に少ないと紅葉の色づきが鈍くなることもあるので、暗すぎない半日陰がちょうどいいところです。
水やり
地植えで根が張ってしまえば、基本的には雨まかせで大丈夫です。ただし植え付けてから1〜2年は根がまだ浅いので、夏に晴天が続いたら朝にたっぷり与えてください。
鉢植えは乾きやすいので油断できません。表土が乾いたら鉢底から流れ出るまで水をやり、夏場は朝夕2回チェックするくらいの気持ちで見てあげると失敗が減ります。モミジは乾燥に弱く、水切れさせると葉先からチリチリと傷んでいくので、山陰でも真夏だけは注意が必要です。冬は落葉して休眠するため、水やりの頻度はぐっと減らして構いません。
山陰で気をつけたい夏の蒸れと葉傷み
イロハモミジでいちばん多いつまずきが、夏の高温多湿による葉の傷みです。山陰の夏は気温が高いうえに湿度も高く、風通しの悪い場所だと葉が蒸れて茶色くなったり、うどんこ病やハダニが出やすくなります。
対策としては、混み合った枝を軽く透かして風を通してあげること。ただし夏場に大きく切るのは木を弱らせるので、思い切った剪定は落葉後の11〜12月頃に行うのが基本です。夏に葉が傷んでも、翌年の芽出しでまた新しい葉を展開してくれることが多いので、慌てて枝を切りすぎないほうがうまくいきます。
もうひとつ、山陰の冬は日照が少なく多湿になりがちですが、モミジは落葉して休眠しているため、この時期の日照不足はそれほど問題になりません。むしろ鉢植えを軒下などに置きっぱなしにして水をやりすぎると、根が傷むことがあります。冬はやや控えめに管理してください。
紅葉がきれいに出ないときは
「秋になっても赤くならない」「くすんだ色で散ってしまう」というご相談はよくあります。紅葉には、昼と夜の寒暖差、適度な日当たり、そして夏に葉を健康に保てたかどうかが関わってきます。夏に葉焼けや水切れで傷んだ木は、秋にきれいな色が出にくい傾向があります。
また、肥料の窒素分が多すぎると葉が緑のまま残りやすいとも言われます。肥料は落葉期の寒肥として控えめに与えるくらいで十分なことが多いです。とはいえ紅葉は年ごとの気候にも左右されるので、うまく染まらない年があっても、それが普通くらいに構えておくと気楽に付き合えます。
剪定と育てるうえでのコツ
モミジは切り口から樹液が出やすく、生育期に太い枝を切ると弱ることがあります。剪定は葉を落とした冬の休眠期に、混んだ枝や交差した枝を間引く程度にとどめるのが安全です。細かく刈り込むより、自然な樹形を活かしてあげるほうが美しく育ちます。
鉢植えは根が回りやすいので、2〜3年に一度、落葉期に植え替えて古い根を整理してあげると元気が保てます。地植え・鉢植えともに、環境が合えば長く付き合える木です。焦らず、その年ごとの表情を楽しみながら育ててみてください。