シクラメン
Cyclamen / Cyclamen persicum
別名・品種: ガーデンシクラメン、ミニシクラメン、原種シクラメン、カガリビバナ、篝火花、ブタノマンジュウ
冬の花壇と窓辺を彩る定番の球根花。園芸種の華やかさから小ぶりで丈夫な原種まで幅広く、山陰の冬は日照不足と多湿の管理がポイントになります。
- カテゴリ
- 花苗
- 育てやすさ
- ふつう
- 日当たり
- よく日の当たる涼しい窓辺、屋外は霜を避けた明るい場所
- 水やり
- 鉢底の受け皿から与える底面給水か、株元にそっと。花や葉の中心は濡らさない
- 耐えられる寒さ
- 品種で差、園芸種は5℃前後まで/ガーデンシクラメンは0℃前後まで
- 大きさの目安
- 鉢6〜15cm、草丈15〜30cm程度
- 原産地
- 地中海沿岸〜西アジア
- 出回り時期
- 1〜3月・9〜12月
気をつけたいこと
球根に有毒成分(サポニン等)を含みます。犬・猫・小さなお子さんが球根や茎を口にしないよう置き場所にご注意ください。
シクラメンってどんな植物
晩秋から春にかけて咲く球根植物で、うつむき加減の花を次々と立ち上げる姿が人気です。地中海沿岸の乾いた気候が原産で、本来は「涼しく乾いた冬」を好み、「暑く湿った夏」が苦手という、日本とは真逆のリズムを持っています。
大きく分けると、室内で楽しむ華やかな園芸種(鉢シクラメン)、寒さに強く花壇にも使えるガーデンシクラメン、そして小輪で野趣のある原種シクラメンがあります。それぞれ雰囲気も耐寒性も違うので、置きたい場所に合わせて選ぶとうまくいきやすいです。
置き場所(山陰の冬をどう乗り切るか)
シクラメンは日光が大好きですが、暖房の効いた部屋の高温は苦手という、少し扱いにくい面があります。室内なら日当たりのよい窓辺で、なおかつ暖房の風が直接当たらない場所が理想です。夜間に窓辺が10℃を下回りすぎるようなら、少し部屋側へ寄せてあげてください。
ここが松江の悩ましいところで、山陰の冬は曇りや雨・雪の日が多く、日照が慢性的に足りません。日照不足が続くと花上がりが鈍り、間延びしやすくなります。晴れ間には惜しまず窓辺に出す、日中はレースカーテン越しでもいいので明るい場所に置く、といった小さな積み重ねが効いてきます。
ガーデンシクラメンや原種は屋外でも冬越しできますが、山陰の底冷えと霜、雪の重みは負担になります。軒下や壁際など、霜と北風を少しよけられる場所のほうが花が傷みにくいです。
水やり(枯らす原因の多くはここ)
シクラメンの失敗で一番多いのが、球根の頭や葉の付け根に水をためてしまうことです。ここに水がたまると蒸れて腐りやすく、株がぐったりする原因になります。花や葉の中心を避け、株元の土にそっと与えるか、受け皿に水を張って下から吸わせる底面給水が安心です。
土の表面が乾いたらたっぷり、が基本ですが、山陰の冬は蒸発が遅く、いつまでも土が湿りがちです。受け皿に水をためっぱなしにすると根腐れするので、吸わなくなった水は捨ててください。逆に暖房の近くでは意外と乾くので、鉢を持ち上げて軽くなっていたら与える、と重さで判断すると失敗が減ります。
花がら摘みと花を長く楽しむコツ
シクラメンは咲き終わった花や黄色くなった葉を、こまめに取り除いてあげると次の花が上がりやすくなります。このとき、ハサミで切るより、茎の根元をつまんでねじるように引き抜くのがおすすめです。切り残した茎が球根の上で腐るのを防げます。
また、株の中心が葉で混み合ってくると光と風が届かず、蒸れて花が減ることがあります。葉を外側へやさしく寄せて中心に光を入れる「葉組み」をすると、花芽が育ちやすくなります。ただしやりすぎると株を傷めるので、様子を見ながら少しずつで十分です。
夏越しという最大の関門
シクラメンで一番むずかしいのが、じつは夏です。山陰の夏は高温多湿で、シクラメンが最も嫌う環境が続きます。春に葉が黄ばんで減ってきたら、それは弱っているのではなく休眠のサインのこともあります。
夏越しには、水を切って球根を完全に休ませる方法と、風通しのよい半日陰で水を控えめに保ちながら夏を越す方法があります。どちらも湿気でカビや腐りが出やすく、正直なところ翌年また咲かせるのは簡単ではありません。一年ものと割り切って楽しむ人も多いですし、それも一つの付き合い方です。原種シクラメンは比較的丈夫で夏越ししやすいものもありますが、それでも蒸れには注意してください。
品種の違いをざっくり
園芸種の鉢シクラメンは花が大きく色も豊富で、室内向き。フリンジ咲きや香りのある系統もあります。ガーデンシクラメンは花も株もコンパクトで寒さに強く、冬の花壇や寄せ植えに向きます。原種シクラメン(ヘデリフォリウムやコウムなど)は小輪で葉の模様が美しく、自然な雰囲気が魅力で、比較的手がかからないタイプです。育て方の基本は共通なので、置き場所と耐寒性を目安に選んでみてください。