「緑を飾りたいけれど、何度か枯らしてしまって自信がない」。そんなときにふと気になるのがフェイクグリーンです。でも、いかにも作りものっぽく見えたらどうしよう、と迷っている方も多いと思います。この記事では、本物に見えるフェイクの見分け方から、向いている置き場所、本物との付き合わせ方まで、売り場でご相談を受けるときの目線でお伝えします。
まず「枯らさない別解」として考えてみる
水やりや置き場所の管理が負担で緑から遠ざかっている方にとって、フェイクグリーンは有力な選択肢です。生きていないぶん、水やりの失敗や虫、日照不足といった悩みがそもそも起きません。
ただ、ここで正直にお伝えしたいのは、フェイクが本物より常に優れているわけではない、ということです。本物には成長する楽しみや、空気を感じる生命感があります。フェイクはその部分を持ちません。だからこそ「どちらが正解か」ではなく「今の自分の暮らしに、どちらが合うか」で考えるのがいちばんしっくりきます。
枯らすことがストレスになっているなら、まずフェイクで緑のある景色に慣れてみる、という入り方もあっていいと思います。
本物に見える質感は、ここで見分ける
フェイクグリーンは価格も見た目の幅も広く、同じ「造花」と呼ばれるものでも仕上がりがまったく違います。本物らしく見えるかどうかは、いくつかのポイントに表れます。
まず葉の色です。一枚のなかに濃淡や、少しくすんだ色味が入っているものは本物らしく見えます。逆に、全体がのっぺりと同じ明るい緑のものは、どうしても作りものっぽさが出やすいです。
次に葉脈や表面の質感。葉の裏までしっかり葉脈が入っていたり、表面に本物に近いマットさや起伏があるものは自然に見えます。つるんと光るビニールのような質感は、光が当たったときに人工的に見えてしまいがちです。
そして枝の動きと幹の素材。枝が一方向に機械的に生えているより、不規則に曲がり、向きがばらついているほうが自然です。幹に本物の木やワイヤーが使われ、自分で少し曲げて表情をつけられるタイプは、置き場所になじませやすいのも利点です。
こうした違いは、写真よりも実物を見たほうがはるかに分かります。色の深みや葉の手触りは、画面越しだと伝わりにくいところだからです。
置く場所で、向き不向きが変わる
フェイクグリーンは、置く場所によって得意・不得意があります。これを知っておくと失敗が減ります。
得意なのは、本物が育ちにくい場所です。窓のない玄関、日が差さない洗面所やトイレ、エアコンの風が直接当たる場所、高い棚の上など。本物だと管理が難しいところこそ、フェイクの出番です。
一方で気をつけたいのが、明るい窓辺。直射日光が長く当たる場所に置き続けると、素材によっては色あせや劣化が進みます。せっかくの質感が薄れてしまうので、強い光が当たる場所は避けるか、退色しにくいと記載のあるものを選ぶと安心です。
もう一つ見落としがちなのが人の目線との距離。手が届く近さや、座ってじっと眺める位置に置くほど、作りものっぽさは気づかれやすくなります。近くで見る場所には質感のよいものを、少し離れて見る棚の上などには手頃なものを、と使い分けると予算の配分もしやすくなります。
本物と「併用する」という考え方
フェイクか本物か、とどちらかに決めなくてもかまいません。むしろ両方を組み合わせると、暮らしがぐっと楽になります。
たとえば、管理しやすい明るいリビングには本物を一鉢だけ置き、育てにくい玄関や高い棚にはフェイクを。本物の世話に無理のない範囲だけ手をかけ、それ以外はフェイクで緑の景色を補う、という配分です。
また、本物の鉢まわりにフェイクの枝を少し添えて、ボリューム感を出す使い方もあります。本物が一本だけだと寂しい、でも何鉢も管理するのは大変、というときに役立ちます。
ホコリがたまると、どんなに質感のよいフェイクでも急に古びて見えます。ときどき柔らかい布でふいたり、軽くはたいたりするだけで印象が保てます。この「少しの手入れ」は本物の水やりより気楽なので、無理なく続けられる範囲で取り入れてみてください。
迷ったら、手に取って質感を確かめる
ここまでお伝えした見分け方は、どれも実物を前にすると一気に分かりやすくなります。葉の色の深み、表面のマットさ、枝の動き、そして全体の軽さや存在感は、手に取ってはじめて納得できる部分だからです。
同じ「観葉植物風のフェイク」でも、置いてみたい場所に近い明るさで見ると、なじむかどうかの感覚がつかめます。本物と併用したい場合は、今ある鉢との色や大きさのバランスも想像しながら選べると失敗しません。
decolleでも、本物の植物とフェイクを並べて見ていただけます。「この場所なら本物とフェイク、どちらが向くか」といったご相談も、置き場所の明るさをうかがいながら一緒に考えられます。取扱いは植物のページや暮らしの雑貨のページでもご覧いただけますので、気になったときにのぞいてみてください。
枯らすことに疲れてしまったなら、フェイクは決して逃げの選択ではありません。緑のある景色を、自分の続けやすいかたちで楽しむ。その手立ての一つとして、気負わず選んでみてください。