植物とくらす

花瓶の選び方、初心者は「今ある花の丈と本数」から逆算する

「花を飾りたいけれど、どの花瓶を買えばいいのか分からない」——そんな声を、売り場でよくお聞きします。デザインで気に入って買ったのに、いざ花を挿してみたら口がすぼんで入らなかったり、丈が合わずにだらんと倒れてしまったり。この記事では、そんな失敗を避けるために「今、自分が飾りたい花の丈と本数」から花瓶の口径と高さを逆算する考え方を、順を追ってお伝えします。デザインの好みは最後で大丈夫。まずは合うか合わないかの物差しを持ちましょう。

まず「どんな花を、何本飾りたいか」を先に決める

花瓶選びでつまずく一番の原因は、花より先に器を決めてしまうことです。花瓶は花を入れる道具ですから、入れる中身が決まっていないと、大きさの正解も出しようがありません。

ですので、最初にざっくりでいいので次の三つを思い浮かべてください。一つ目は「花の種類」。スーパーや花屋でよく買う一輪のバラなのか、季節の切り花の束なのか。二つ目は「本数」。一本挿しなのか、五本ほどの小さな束なのか。三つ目は「茎の長さ」です。買ってきたままなのか、短く切って飾るのか。

この三つが決まると、必要な花瓶の大きさの範囲が一気に絞れます。逆に「なんでも飾れる万能な花瓶」を探そうとすると、かえって決められなくなります。まずは「今よく飾る花」に照準を合わせるのが近道です。

高さは「花の全長の半分から三分の二」を目安にする

花瓶の高さは、飾りたい花の全長(茎の先から花の先まで)を基準に考えます。よく言われる目安は、花瓶の高さが花の全長の「半分から三分の二くらい」に収まると、バランスが取りやすいというものです。

たとえば全長40cmほどの切り花なら、高さ20〜27cmくらいの花瓶が合わせやすい計算になります。花瓶が低すぎると花が頭でっかちに見えて倒れやすく、高すぎると花が埋もれて茎ばかりが目立ちます。

ただしこれはあくまで目安で、絶対の正解ではありません。あえて低い器にこんもり短く生ける飾り方もありますし、枝ものを高い花瓶にすっと一本挿すのも素敵です。まず基本の比率を知っておいて、そこから好みでずらす、という順番だと迷いにくくなります。買ってきた花を後で短く切ることもできますから、「今持っている花の丈」を実際に測ってメモしておくと、売り場での判断がぐっと楽になります。

口径は「本数」と「茎のまとまり」で決まる

見落とされがちなのが口径、つまり花瓶の口の広さです。ここが花の本数と合っていないと、うまく飾れません。

一輪挿しのように一本を凛と立てたいなら、口の狭いものが向きます。口が広いと花が横に倒れて、思ったところに留まってくれません。逆に五本、十本とまとめて飾りたいなら、茎の束が余裕をもって入る口径が必要です。狭い口に無理やり詰めると、花同士が押し合って傷みやすくなります。

判断のコツは、実際に飾りたい本数の茎を手で軽く束ねて、その太さを見ておくこと。その束がすっと入り、少しだけ動く余裕があるくらいの口径が目安です。

もう一つ、口がすぼまった形(首の細い瓶タイプ)は、花が自然に中心へ集まってまとまりやすいという利点があります。生けるのが苦手な方には、この「口がやや狭まった形」が扱いやすいことが多いです。まっすぐな筒形は自由度が高い反面、花が散らばりやすいので、本数が少ないときは向き不向きが出ます。

安定感は「口径と底の関係」で見る

せっかく丈と口径が合っても、倒れやすい花瓶では長く楽しめません。安定感は、口の広さに対して底がどれだけしっかりしているかで見当がつきます。

口が広くて底が小さい、逆三角形に近い形は、花を挿すと重心が上に来て倒れやすくなります。とくに枝ものや水を吸って重くなる花では注意が必要です。反対に、底が広めでどっしりした形は、多少花が偏っても安定します。

ガラスのように透明な花瓶は、水の量を調整して重しにできるので、見た目より安定させやすい面もあります。実物を手に取れるなら、底を持ったときのずっしり感や、机に置いたときのぐらつきを確かめておくと安心です。写真だけでは、この「重さと安定感」だけはどうしても分かりにくい部分です。

素材とお手入れのしやすさも、選ぶ前に一言

花との相性が主役ですが、続けやすさという意味で素材にも軽く触れておきます。ガラスは水の濁りや水位が見えるので、水替えのタイミングが分かりやすく、初心者にはとくに扱いやすい素材です。陶器は光を通さないぶん花の色が引き立ちますが、内側の汚れが見えにくいので、こまめに洗う習慣があると気持ちよく使えます。

どちらが良い悪いではなく、自分がずぼらになりがちか、こまめに世話ができるかで選ぶと後悔が少ないです。口が狭い花瓶は見た目がきれいにまとまる反面、内側を洗うのが少し手間になる、という正直なところもあります。飾る楽しさと洗う手間は、多少トレードオフになると知っておくとよいでしょう。

それでも迷うときは、飾りたい花を思い浮かべて相談を

ここまで、丈・本数・口径・安定感の順にお伝えしてきましたが、頭で考えるより、実物を前にすると一発で分かることが多いのも花瓶選びの特徴です。手に取って底の重さを確かめたり、いつも買う花をイメージして口に手をかざしてみたりすると、「これなら入りそう」という感覚がつかめます。

うまくいかないケースとして多いのは、「万能な一個」を求めすぎて決められないパターンです。まずは今よく飾る花に合う一つを選び、飾る習慣がついてから二つ目を足していくほうが、結局は失敗が少なくなります。

decolleでも植物と一緒に花瓶を並べていますので、飾りたい花の丈や本数をメモして、あるいは実際の花を持って、気軽にご相談ください。実物を見比べながら選べますし、贈りものにされる場合はその場でご相談いただけます。取り扱いは植物のページ暮らしの雑貨のページでもご覧いただけます。まずは一輪、気に入った器で飾るところから始めてみてください。

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