お気に入りのバスケットを鉢カバーにして植物を飾りたい。でも「水やりで底が傷まない?」「蒸れて根が弱らない?」と不安で踏み切れない――そんな声をよくお聞きします。この記事では、かごを鉢カバーに使うときに植物を傷めないための、防水・通気・サイズ・編みの見方という四つの実務ポイントを、売り場で相談を受けるときのようにお伝えします。
まず「鉢を直接植えない」が大前提
最初にいちばん大事なことを。バスケットは「植え込む鉢」ではなく、あくまで鉢カバーとして使います。かごの中に、植物を植えたプラ鉢や素焼き鉢ごと入れる、という形です。
かごに直接土を入れて植えてしまうと、水やりのたびに内側が湿り、編み目から水や土が漏れ、素材が傷んで早く朽ちます。カビやにおいの原因にもなります。「鉢ごと入れて、いつでも取り出せる」状態にしておけば、水やりのときに鉢だけ取り出して流しで水をあげ、しっかり水を切ってから戻す、という扱いができます。これだけで失敗の多くは防げます。
内側の防水と受け皿で、底を守る
かごの弱点は水です。水やりのあとに鉢底から染み出た水が、かごの底にじわじわ溜まると、底から傷んでいきます。そこで内側の防水をひと工夫します。
いちばん手軽なのは、鉢の下に受け皿を敷いてからかごに入れる方法。受け皿が水を受け止めてくれるので、かごの底に直接水が触れにくくなります。受け皿に溜まった水は、水やりの少しあとに捨てるのを習慣にしてください。溜めっぱなしは根腐れのもとです。
さらに安心したいなら、かごの内側にビニールやインナーポット(プラスチックの中鉢)を仕込む方法もあります。防水シートを敷く手もありますが、完全に密閉してしまうと今度は湿気がこもるので、水はきちんと受け皿で管理する前提で考えてください。防水は「水を溜める」ためではなく「かごを濡らさない」ための工夫、という感覚が近いです。
通気で蒸れを防ぐ――かごの意外な強み
不安に思われがちな「蒸れ」ですが、実はかごは通気の面では悪くない素材です。編み目に隙間があるぶん、空気が抜けやすいからです。プラスチックのぴったりした鉢カバーより、むしろ風が通ることもあります。
ただし、置き方次第では蒸れます。注意したいのは次の二点です。
- かごの底と鉢底をぴったり密着させない。鉢底石や小さな台を一枚かませて、底に空気の通り道を作ると湿気がこもりにくくなります。
- 壁にぴったり寄せすぎない。背面の風通しが悪いと、湿った空気がとどまります。少し離して置くだけで変わります。
逆に言えば、水やりのあとに鉢を戻すとき、鉢の外側がびしょ濡れのまま入れると、いくら通気が良くても乾くまで時間がかかります。鉢の表面を軽く拭いてから戻すひと手間が効きます。
サイズは「鉢がすっぽり隠れて、出し入れできる」で合わせる
サイズ選びでつまずく方が多いので、合わせ方のコツを。基準は二つです。
ひとつはかごの内側の深さが、鉢の高さと同じか少し高いこと。鉢のふちがかごの口から見えてしまうと、見た目が中途半端になります。受け皿を敷くぶんの高さも忘れずに見てください。
もうひとつは内側の幅に、少しゆとりがあること。きっちりすぎると鉢の出し入れがしづらく、水やりのたびに苦労します。指が入るくらいの余裕があると、持ち上げて取り出すのが楽です。ゆとりがありすぎて鉢がぐらつく場合は、隙間に水苔やクッション材を軽く詰めると安定します。
買うときは、今使っている鉢の「直径」と「高さ」をメモしていくと選びやすいです。号数がわかるなら、それも控えておくと話が早く進みます。
「編みの詰まり具合」は実物で確かめたい
かごは写真だけだと、編みの詰まり具合が意外とわかりません。ここが置き場所や使い勝手を左右します。
編みが詰まっているものは、中の鉢が透けにくく見た目がすっきりしますが、そのぶん風は通りにくくなります。編みが粗いものは通気に優れますが、中の鉢や受け皿、水の跡が見えやすいので、インナーポットで隠す工夫が合います。
また、同じように見えても素材の硬さや厚みで丈夫さが変わります。重い鉢を入れるなら、持ち手や底がしっかりしているかも大切です。この「詰まり具合」「硬さ」「底の丈夫さ」は、手に取って初めてわかる部分なので、できれば実物で確かめるのがおすすめです。当店(decolle)でも、植物とかごを実際に並べて、サイズや編みの相性を見ながらお選びいただけます。かご選びに迷ったら、取扱いの植物とあわせて店頭でお気軽にご相談ください。
うまくいかないケースと、正直な話
最後に正直なところを。どんなに工夫しても、かごは水に弱い素材です。水やりが多い植物や、受け皿の水を放置しがちな方には、長い目で見ると負担がかかりやすいのは事実です。何年も使ううちに、底や編み目がくたびれてくることもあります。
それでも、鉢ごと入れて取り出せる形にして、受け皿で水を管理し、底に空気の通り道を作っておけば、植物を傷めずに長く楽しめます。「かごは消耗品に近い」と割り切り、傷んできたら気軽に替える、くらいの気持ちでいると、かえって肩の力が抜けて楽しめると思います。まずは手持ちの鉢に合うサイズから、気に入った一点を選んでみてください。