フランス生まれのポスター作家、
レイモン・サヴィニャック氏。
彼の描いた独特の作品は、
企業や団体からのオファーによるもの。
つまり、なにかしらのメッセージがある。
その表現手法は、
真っ直ぐあたりまえに伝えるのではなく
彼の「遊び心を交えた想い」の部分が核であると思う。
そしてその遊び心は真面目に追求され、
洗練されてきたもの。
そう感じる。
そんな彼のエピソード
才能はあったが、全てが上手くいったわけでもない。当然、お蔵入りになった作品もある。
ある日、海外の企業からお菓子のポスターの依頼が舞い込んだ。驚いたことにサヴィニャック氏は、以前お蔵入りになった作品をそのままその企業に差し出したという。
生前こんな言葉を残している。
「同じ問題を出されても、同じ答えを示すほかない」
つまり、彼の遊び心の追求とは、一枚のポスターに「いかに人を惹きつけ伝えるか」の追求にほかならない。
そしてそれをとことん追求していくと、答えは限りなく一つになる。お蔵入りの作品とはいえ、彼なりに答えを追求しきって生まれた作品である。その自信が伺えるエピソードである。
デコレにもそんなサヴィニャック氏の想いが詰まったポスターがやってきました。4・5年前ですと、至る所に氏のポスターはありましたが、いままた、お家にどうですか?お子さんのお部屋にも似合いますよ。
そこにいるだけで、周りの雰囲気を和ませてくれる力があるのは、デコレだけではなく、みなさんのお家でもきっと・・・
写真のポスターは「清潔な街キャンペーン」で描かれた作品。街の人ではなく、犬と道路を書いて街の清潔感を表現している。
綺麗な絵や、ゴミなどの絵を描くのではなく、犬たちが清潔に綺麗に並ぶことで、人々に問いかけている。
「犬もちゃんとしてるでしょ、じゃああなたは?」
そんな想いが聞こえてくるのは、サヴィニャック氏の変わらない信念から描かれているからであろう。
2002年10月29日。享年94歳。